子どものコロナ後遺症、沖縄県内に70人 県教委が小中高生を調査 昨年度から今年7月

 昨年度から今年7月末までに、新型コロナウイルスに感染した沖縄県内公立小中高校と特別支援学校の児童生徒のうち、70人がその後、罹患(りかん)後症状(いわゆる後遺症)またはその疑いと診断されていたことが9日までに分かった。罹患後症状のある児童生徒数などの実態把握を目的に、県教育委員会が今年6月末から7月末、県内約490校を対象に調査した。
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 各学校は、症状のある児童生徒を保健室で休ませるほか、別室登校などで対応しており、引き続き柔軟な対応を求める。 調査は、昨年度と今年4~7月の本年度に分け、期間中に医師に罹患後症状まはたその疑いがあると診断された児童生徒の数のみを調べた。診断が感染後どの程度経過した時点のものかや、症状が現在も継続しているかなどは把握していない。
 その結果、昨年度は小学校6人、中学校10人、高校11人、特別支援学校0人で計27人。本年度は小学校10人、中学校11人、高校22人、特別支援学校はおらず計43人となり、累計は70人だった。 昨年度から今年10月27日現在、県教委に報告があった児童生徒の感染者数(幼稚園を含む)は約5万3千人。担当者は「診断はなくても症状のある子どもは他にもいる可能性がある」と話した。一方、県によると罹患後症状に関する国の基準がまだ確立されていない側面もあり、研修会などを通し知見の集積を行っていく。
 新型コロナの罹患後症状について、県はかかりつけ医や身近な診療所、入院などをした医療機関への相談を呼びかけている。該当する病院がなく相談する医療機関に迷う場合は、県コールセンターで医療機関を紹介している。電話098(866)2129(24時間対応)。 
  (吉田早希)
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