横須賀市重文の万代会館、3D調査で内部構造丸分かり 昭和初期の別荘建築、将来の改修工事の参考に

3Dレーザースキャンによる万代会館の画像データ。屋根裏の構造も細かく測量できた(関東学院大学建築・環境学部建築・環境学科 黒田泰介研究室提供)

 横須賀市の指定重要文化財であるかやぶき屋根の民家「万代(まんだい)会館」(同市津久井2丁目)の内部構造が、関東学院大学の黒田泰介研究室(建築・環境学部)の3Dレーザースキャンを利用した実測調査で明らかになった。普段は見ることができない小屋組みの構造などが細かく測量され、将来の改修工事の参考になりそうだ。

 万代会館は帝国銀行頭取などを務めた万代順四郎の晩年の邸宅。市内で唯一現存する昭和初期の別荘建築で、かやぶき屋根の木造平屋建て。1928年に建築された玄関棟や書院棟、サンルーム棟、その後増築された棟が約4千平方メートルの敷地に並ぶ。78年、同市に寄贈された。

 実測調査は今年夏に実施。調査に立ち会った市教育委員会の亀井泰治さん(1級建築士)によると、建物の周囲や室内、屋根裏などにさまざまな方角からレーザー光線を当て、立体的に測量した。屋根裏など見えない場所までミリ単位で寸法が分かった。

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