「モデルロケット」全国大会、横浜市立中の女子中学生チームが最優秀賞 高度と滞空時間競う 「次は総合で表彰台」

中高生の女子チームの中で最優秀賞を受賞した北山さん、冨田さん、酒井さん(左から)=横浜市立サイエンスフロンティア高校付属中学校

 横浜市立サイエンスフロンティア高校付属中学校(同市鶴見区)の生徒が、実際のロケットと同じ仕組みで飛ぶ「モデルロケット」の全国大会で中高生女子チームに贈られる最優秀賞を受賞した。同校有志によるモデルロケット開発プロジェクト始動から、わずか1年半の快挙。メンバーは「次は総合で表彰台」とさらなる高みを目指す。

 モデルロケットは火薬をエンジンに時速180キロで打ち上げ、高度100メートル程度まで上昇する能力を持つ。宇宙教育教材として世界中で使用されており、同校では昨年6月から有志メンバーがロケットの開発、打ち上げを行っている。

 JAXA筑波宇宙センター(茨城県)で10月15日に開催された全国大会には、中学生から社会人までの男女が出場。高度とパラシュート滞空時間の2種目の総合得点で競う。種目ごとにロケットを変えるため、1人が2基ずつ開発し、打ち上げる。

 全国の中高生女子チームを抑え、最優秀賞を受賞したのは3年の酒井風花(かざはな)さん、北山夏光(なつみ)さん、冨田蓮さん、2年の鍋田真穗さんのチーム。高校生や社会人も合わせた32チームの中でも、総合6位と健闘した。

 当日は持ち込んだロケットが審査を通過できず、急きょ仕様を変更するアクシデントにも見舞われたが、カッターややすりを手に対応し、ロケットの重心を調整した。技術指導を担う尾崎就教諭は「集中力とひらめきだけでなく、直前に対応できる技術も持つ。審査通過のために右往左往したが、もしかしたら受賞できるかもと期待していた」と振り返る。

 滞空競技で個人3位に輝き、チームを引っ張った酒井さんは「前回は失格だったので、今回は賞を取りにいきたかった」と有言実行。前回大会で他校の生徒たちと積極的に情報交換してロケットの改良に貢献し、チームのサポート役を担った冨田さんは「みんなが喜んでいる姿を見られてよかった」と笑顔で話した。北山さんは「微調整した結果が目に見えるのが面白い」と開発の魅力を語り、「今回は悔しい結果だったので、今度は総合で表彰台を目指す」と意気込んだ。

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