宇宙へ旅立つコメの種もみ 来年1月 米国から打ち上げ 東本町小・田中産業

 来年栽培するコメの種もみは〝宇宙帰り〟―上越市立東本町小と田中産業(同市土橋)は、上越産コシヒカリの種もみを1カ月間宇宙で保管して栽培するプロジェクトを立ち上げた。種もみ100粒を来年1月、米国フロリダ州のケネディ宇宙センターからロケットで打ち上げ。国際宇宙ステーション(ISS)にある日本の実験棟「きぼう」で1カ月保管し、3月中に上越市へ戻る予定。

コシヒカリの種もみに見入る子どもたち

 14日、同校でプロジェクトの説明会と立ち上げ式が行われた。今年同社の学校田で稲作を体験した5年生が参加、田中朗之常務からプロジェクトの概要を聞いた。打ち上げに使用するロケットはスペースX社(米国)のロケット「ファルコン9」。
 同社は児童たちに「宇宙へ行くコメに名前を付けてほしい。コメが入る箱に付けるキャラクターを考えてほしい」と2件の〝ミッション〟を依頼。児童たちは引き受けた。児童の一人は「宇宙にコメを持っていくメリット」を質問。田中常務は「どのような影響があるか分からないので、来年育てて確かめてみたい」と答えた。
 江口琉空君は「宇宙へ行って3月中に戻ってくるなんてすごい。帰ってきたらどうなっているか楽しみ」と話した。
 田中産業は20年近くにわたり、同校の農業体験を引き受ける。また、自社グループの水稲栽培に人工衛星を活用、生育状況の把握に役立てている。田中常務は「(プロジェクトを通して)子どもたちが農業への関心を持ち、喜んでくれたことをうれしく感じている」と話していた。

宇宙から戻った後の種もみについて「どの程度発芽するかなどを確かめたい」と話す田中常務

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