被告の男に無期懲役判決、新発田女性殺害事件・新潟地裁 無罪主張退ける、求刑は死刑

新発田市の女性殺害事件の判決公判を前に、傍聴券を求める人たち=11月18日、新潟市中央区

 2014年に新発田市の会社員女性=当時(20)=が殺害された事件の裁判員裁判で、殺人罪などに問われた無職の被告の男(39)の判決公判が11月18日、新潟地裁であり、佐藤英彦裁判長は主文を後回しにして理由を朗読し、無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。

 被告は別の事件で2018年に無期懲役が確定しており、異例の裁判として注目されていた。

 検察側はDNA型鑑定の結果など状況証拠を積み重ねて立証に臨み、「何の落ち度もない女性に対し、尊厳を極限まで踏みにじり、殺害した最も残虐な犯行だ」と悪質性を強調。裁判員裁判制度が始まった2009年以降、地裁では2例目となる死刑を求刑していた。

 被告の男は「全く関係していない」と否認し、弁護側は無罪を主張していた。

 起訴状によると、被告は2014年1月15日、新発田市内で女性が運転する車に乗り込み、車ごと女性を連れ去り、わいせつな行為をしてけがを負わせ、殺害したとして、殺人などの罪に問われていた。

 被告は2013年8〜12月に新発田市内で別の女性4人を相次いで襲い、そのうち1人を死亡させた強姦(ごうかん)致死罪などで18年に無期懲役が確定していた。

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