NASA新型宇宙船オリオンが月の裏側を通過 アルテミス1ミッション続報

【▲ アルテミス1ミッション6日目にオリオン宇宙船の太陽電池アレイ先端に取り付けられているカメラで撮影された月の裏側(Credit: NASA)】

アメリカ航空宇宙局(NASA)は11月21日、無人で試験飛行中の新型宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」が同日21時57分(日本時間・以下同様)に、月の裏側で月面に約81マイル(約130km)まで接近して無事通過したと発表しました。

オリオン宇宙船はNASAの「アルテミス1」ミッションで無人飛行試験を行うために、2022年11月16日に新型ロケット「SLS(スペースローンチシステム)」初号機で打ち上げられ、月へ向かう軌道に投入されました。

同ミッションでオリオン宇宙船はDRO(Distant Retrograde Orbit、遠方逆行軌道)と呼ばれる月の公転方向に逆行する軌道を1週間ほど飛行することになっています。月面から最大約4万マイル(約6万4000km)離れたDROは安定性が高く、推進剤の消費を抑えつつ試験を行えるメリットがあるといいます。

DROに入るためには2回の軌道修正が必要とされていて、月面に最接近する直前の11月21日21時44分には1回目の軌道修正を行うためのエンジン噴射が2分30秒間に渡って実施されました。NASAによるとミッションは計画通り進行しており、DROに入るための2回目の軌道修正も11月26日6時52分に予定されています。

オリオン宇宙船は12月2日にDROを離脱し、12月12日に地球へ帰還する予定です。

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文/sorae編集部

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