神大のひらつかキャンパス 地元の中学生が最後の「1日大学生」 23年春、横浜に移転

来春に移転する神奈川大・湘南ひらつかキャンパスで受講する市立土沢中の生徒ら=平塚市土屋

 神奈川大学の施設を使って、平塚市土屋地区の小中学生が講義を受講する「1日大学生」が17日、同大ひらつかキャンパスで開催された。地元の土屋公民館を交えてコロナ禍でも続けられてきた交流事業も、来春に控えた同大の学部移転に伴い今回で最終回。参加した同市立土沢中学校の全校生徒約140人が“最後のキャンパスライフ”を体感した。

 1989年に開設した同キャンパスは、学生の都市部への回帰志向を踏まえた経営判断から、横浜市西区に新設したみなとみらいキャンパスと横浜キャンパス(同市神奈川区)への集約と湘南・ひらつかキャンパスの売却が決まった。経営学部は昨年4月に移転を済ませ、理学部も23年4月には横浜キャンパスに移る予定となっている。

 30年以上の歴史を刻んできたキャンパスと学生は、地域行事への参加や里山保全活動に協力するなど、地域コミュニティーの核として機能してきた。大学構内を借りて実施したマラソン大会や囲碁での交流などを懐かしむ、同公民館の秋山達郎さんは「地域の誇り、強みであり、自慢の施設。多くのことを学ばせてもらった」と振り返る。今回の交流事業には「生徒にとっては歩いていける距離で、現在学んでいる先の世界が垣間見られる場所だった。移転してしまうのが本当に惜しい」と肩を落としていた。

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