入村明市長が退任 5期20年「感謝以外ない」 妙高市

 妙高市の入村明市長(75)は24日、任期満了で退任した。市役所で行われた職員への最後のあいさつで「感謝以外、何もない。長い間ありがとう」と述べた。20年にわたる入村市政が幕を下ろした。
 民間出身の入村市長は2002年から旧新井市長、3市町村が合併した05年から妙高市長を務めてきた。
 入村市長は計画的な市政運営で財政を健全化。「生命地域の創造」を理念に掲げ、先進的な環境政策を推進した。観光・農業振興や行政のデジタル化などに取り組んだ。
 一貫した理念は、分離独立による妙高戸隠連山国立公園の誕生や、SDGs未来都市の選定につながった。
 入村市長は同日、市役所で退任会見を行った。「(5期20年が)一瞬のうちに過ぎたように感じている。大勢の理解、指導で現在までたどり着けた」と心境を語った。
 市町村合併における新市名の決断を振り返った上で、「妙高という名前は財産になる」と語った。
 職員へのあいさつ後、贈られた花束を手にした入村市長は、職員に拍手で見送られ、庁舎を後にした。

退任あいさつ後、職員がつくった花道を進む入村市長(妙高市役所コラボホール)

 10月の市長選で市政継承を掲げて初当選した城戸陽二氏(55、前市課長)が25日、新たに市長に就く。

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