感性豊かに表現 最優秀賞「御風賞」に原さん(大分県)和田さん(糸魚川高1年) 相馬御風顕彰ふるさと短歌大会

 糸魚川市教育委員会・同市文化協会主催、御風会後援による「第15回相馬御風顕彰ふるさと短歌大会」の入選歌が決まった。26日に同市大町1のヒスイ王国館で表彰式が行われ、最優秀賞の御風賞(2首)をはじめ優秀賞(8首)、奨励賞(60首)、佳作(90首)が発表された。

表彰式に出席した一般の部、児童生徒の部の最優秀賞「御風賞」と優秀賞の受賞者、選者ら

 今回は一般の部に335人から641首、児童生徒の部(小学5年生~高校生、一人1首)に1431人から応募があった。御風賞の一般の部は大分県国東市の原比呂子さんの作品「雪解川父母眠るふる里を捨てた記憶が押し寄せて来る」、児童生徒の部は糸魚川高1年・和田華帆さんの作品「スカートに残る絵の具の白いシミみんなにはない私の思い出」が選ばれた。
 表彰式に出席した受賞者一人一人に靏本修一教育長から賞状と記念品が渡された。御風賞を受け取った和田さんは「こんな大きな賞をもらえると思わなかった」と驚き、「短歌は学校の授業で触れたくらいであまりやったことはなかった。短い文の中に思いを入れるのは難しかったけど自分の気持ちがよく表せたと思う」と喜んだ。
 児童生徒の部・選者の一人、コスモス短歌会の黒石孝さんは和田さんの作品を「爽やかな恋の歌、相聞歌と解釈した。いい歌をみると涙が出るくらいうれしい」と選評。子どもたちの豊かな感性に感心していた。
 選評、表彰式を前に一般の部の選者を務めた歌人の田宮朋子さん(長岡市出身)が「ふるさとを詠む」と題して記念講演を行った。
 同大会は郷土の文人相馬御風を顕彰し、広く文芸に親しんでもらおうと短歌と俳句を隔年で実施している。
 優秀賞受賞者は次の通り。(敬称略)
 ▽一般の部 東海林梨枝(村上市)松野禎(糸魚川市)佐藤彩湖(同)▽児童生徒の部 飯田胡桃(糸魚川中2年)佐藤かなえ(能生中2年)石川胡桃(慶應義塾湘南藤沢高等部)大島夏希(糸魚川高1年)布施遼人(海洋高3年)

© 株式会社上越タイムス社