帆船日本丸CF、当初目標の4倍上回る 「美しい姿をいつまでも」激励メッセージも続々

船体の維持修繕などを目的にしたCFに多くの寄付が寄せられた帆船日本丸=横浜市西区

 国の重要文化財「帆船日本丸」(横浜市西区みなとみらい)の無線日誌修復と船体の維持修繕のため、帆船日本丸記念財団が行ったクラウドファンディング(CF)の受け付けが終了し、目標を大きく上回る1250万円が集まった。応援メッセージも多く寄せられ、担当者は「感激している。日本丸の美しい姿をいつまでも残したい」と話している。

 帆船日本丸は、1930(昭和5)年に建造された練習船。84年に引退するまで1万人以上の実習生が乗船し、太平洋を中心に訓練航海に使われていた。現在の場所には翌85年から係留保存されている。

 市や同財団によると、国の補助金などを活用して船体を計画的に手入れしているが、建造から90年以上にわたって海上の厳しい環境にさらされてきたため、よりきめ細かい維持修繕が必要になっている。

 また、航海中の無線でのやりとりが記された無線日誌は「日本丸の記録をひもとく重要な資料」(同財団担当者)。紙であるため装丁の破損や表紙の脱落、変色などが多く、ページをめくるのが難しいものも少なくないのが実情という。

 CFは基本1口5千円からで、9月28日から11月18日まで実施した。当初は300万円を目標に設定していたが、10月3日に早くも到達。その後も想定を超える寄付が寄せられたため、目標金額をクリアするたびに750万円、1千万円、1100万円と3回にわたって引き上げたという。

 期間中、北海道から九州まで全国の個人・団体から509件の応募があり、最終的に寄付金額は計1250万1千円に上った。オランダからの寄付もあった。

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