千賀滉大がメッツと5年7500万ドルで合意 超強力先発ローテが完成

日本時間12月12日、海外FA権を行使していた千賀滉大がメッツとの契約合意に至ったことが明らかになった。メジャーリーグ公式サイトのマーク・フェインサンド記者によると、契約条件は5年7500万ドルで、全球団に対するトレード拒否権が盛り込まれているほか、5年契約の3年目が終了する2025年オフにオプトアウトできる権利も与えられているという。ジェイコブ・デグロムら3人の先発投手がFAとなったメッツだが、ジャスティン・バーランダー、ホセ・キンタナに続いて千賀も獲得し、超強力ローテーションを形成することに成功した。

大富豪のスティーブ・コーエン・オーナーの資金力を最大限に活用し、今オフもエドウィン・ディアスと5年1億200万ドル、ブランドン・ニモと8年1億6200万ドルで再契約し、ジャスティン・バーランダーを2年8666万ドル+オプション1年、ホセ・キンタナを2年2600万ドル、デービッド・ロバートソンを1年1000万ドルで獲得するなど、移籍市場に積極的に資金を投じているメッツ。さらなる補強として千賀の獲得に成功し、バーランダー、マックス・シャーザー、キンタナ、カルロス・カラスコ、千賀という極めて強力な先発ローテーションが完成した。

千賀を獲得する前の時点で、すでに来季の年俸総額がメジャー史上初の3億ドルを突破していたメッツだが、千賀を加え、来季の推定年俸総額は約3億3500万ドルに到達。ぜいたく税のルールに基づく計算では、年俸総額は約3億5000万ドルとなっている。「ESPN」のジェフ・パッサン記者によると、このままいけばメッツは7000万ドル以上のぜいたく税を支払うことになり、これはパイレーツ、オリオールズ、アスレチックスなど他球団の年俸総額を上回る金額だ。

とはいえ、ディアス、ニモと再契約し、デグロム、クリス・バシット、タイワン・ウォーカーの代わりにバーランダー、キンタナ、千賀を獲得したのは、今オフFAとなった選手の穴を埋め、今季101勝を挙げたチームの戦力をキープしたに過ぎない。同地区には5連覇中のブレーブス、メッツ同様に積極補強を見せるフィリーズもおり、「3億ドル以上の年俸総額でも地区3位になる可能性がある」と指摘する声もある。多額の資金を愛するメッツに投入しているコーエン・オーナーは、1986年以来となる悲願のワールドシリーズ制覇を成し遂げることができるのか、大きな注目が集まりそうだ。

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