糸魚川市出身・樋口大悟さんが企画、原案、主演 全国に希望と勇気を 骨髄移植経験演じる 映画『みんな生きている~二つ目の誕生日~』 糸魚川市で先行上映会

 糸魚川市出身の俳優・樋口大悟さん(45)が企画、原案、主演する映画『みんな生きている ~二つ目の誕生日~』が完成し、10、11日に同市寺町4のビーチホールまがたまで先行上映会が開かれた。

糸魚川市で開かれた先行上映会の舞台あいさつにオンラインで登壇した樋口さん他、両沢監督(ステージ左)や米田市長、出演者

 「一つでも多くの命が救われてほしい。今も苦しんでいる人に勇気、希望を届けたい」。25歳で急性骨髄性白血病を発症し、骨髄移植を受けて命が救われた樋口さん自身の経験を基にして作られた作品。故郷での上映会は2日間で市民ら約700人が来場し、大きな感動に包まれた。
 苦しい闘病生活、それを支える家族や友人の心情、骨髄を提供する側のドナー本人と家族の葛藤がそれぞれ描かれ、リアルに演じられている。日本骨髄バンクが監修し、骨髄採取シーンは実際の医師や看護師の協力の下で撮影。ドナーの女性が暮らす町は糸魚川市が設定され、市内各所がロケ地となり、ヒスイ海岸や糸魚川駅前通り、フォッサマグナミュージアムなど見慣れた景色が数多くスクリーンに登場した。
 樋口さんは舞台あいさつに立つ予定だったが、事前の検査で新型コロナ陽性が判明し、急きょオンラインで登壇。「生まれ育ったふるさとで最初に皆さんから見ていただけてうれしい。発病から20年、思いを全て込めた映画」と時折声を詰まらせて感謝の思いを伝えた。両沢和幸監督は脚本、撮影に至るエピソードを紹介し、「できればドナーの方がこの映画をどこかで見てくれればいいな」と願った。
 糸魚川での撮影は市が全面協力。上映会に来場した米田徹市長は「素晴らしい映画ができた。人の命、絆を感じた」と感激していた。
 来年2月4日から新宿K’scinema他、全国で順次公開となる。県内では同2月10日からイオンシネマ新潟西(新潟市)で公開予定。

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