石木ダム促進要望 佐世保市、買受権発生を想定 県に今月下旬

 定例佐世保市議会は13日、一般質問を続行し5人が登壇。長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、市は、ダム建設用地を元所有者の住民が買い戻す権利(買受権)が来年9月に発生する可能性を想定した上で、県に早期完成を求める要望活動を続ける考えを示した。今月下旬に県庁を訪問し、要望する方向で調整している。
 崎山信幸議員(自民党市民会議)の質問に、中島勝利水道局長が答えた。
 土地収用法は、事業認定告示日から10年後に、収用地の「全部を事業の用に供しなかったとき」に買受権が生じると規定。石木ダム建設事業は来年9月に告示日から10年を迎える。
 10月に市長は大石賢吾知事と面会し、買受権発生の懸念を伝えた。一方、知事は、工事が進んでいることから、「発生しない」とし、見解が分かれている。
 崎山議員は、石木ダムに反対する住民から買受権を巡る訴訟が提起される可能性を指摘し、事業の推進を求めた。中島局長は、過去に買受権が発生した判例はなく、「あらゆるケースを想定して準備を進めることが重要」と強調。県が来年度の予算編成で早期完成を図るよう、改めて要望するとした。


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