大型客船「にっぽん丸」、3年ぶり海外クルーズ 15日に横浜を出港 感染対策を徹底

海外クルーズに向かうため横浜港に停泊中の大型客船「にっぽん丸」=14日午前、横浜市中区

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の新型コロナウイルス集団感染を受け、2020年3月以降停止していた国際クルーズ船の運航が15日、約3年ぶりに横浜港発着の旅で再開する。久しぶりに海外へ渡るのは、大型客船「にっぽん丸」(2万2472トン)。運航会社や自治体は感染対策を徹底しながら、新たな船出を迎える。

 にっぽん丸は、15日から来年1月31日までの往復48日間にわたり、横浜港大さん橋国際客船ターミナル(横浜市中区)を出発し、インド洋の島国モーリシャスを旅する。モルディブや、今回が初寄港となるマダガスカルなども巡る。

 海外クルーズ再開へ、運航会社はさまざまな感染対策を講じてきた。

 運航する商船三井客船(東京都港区)によると、乗客には出発の約10日前からPCR検査キットを郵送。乗船当日も質問票の記入と、再度PCR検査を受けてもらい、異常がなかった人だけが乗船できる。海外クルーズでは、期間中にも検査を実施するという。

 船内での感染拡大防止策も進んだ。レストランなど飲食を伴う場所では全てのいすにQRコードを設置。乗客が携帯する乗船カードのコードと合わせてスタッフが読み取ることで、どの場所で誰が飲食していたかの把握ができ、濃厚接触者の特定が容易になった。

 クルーズには募集の8~9割に当たる270人が乗船予定で、広報宣伝室の柿ノ内聰室長は「(集客数に)手応えを感じている。今回の旅を足がかりに、海外クルーズの事業全体が活性化してコロナ前の水準まで戻ればいい」と話す。

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