〔海外〕2022年11月の災害を振り返る

2022年11月に発生した海外での大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。

※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。

●11月
【事故】韓国・首都ソウルで列車脱線事故
[被害]負傷者34人(うち邦人1人)
2022年11月6日20:50頃(日本時間同じ)、韓国の首都ソウル南西部の永登浦駅付近で、ソウル・竜山駅から全羅北道・益山駅に向かっていたKORAIL(韓国鉄道公社)の列車が走行中に脱線した。当時、列車には279人が乗っており、この事故で日本人1人を含む34人が軽傷を負った。韓国国土交通部によると、脱線した列車の直前に現場を通過した別の列車が分岐器付近のレールを破損した模様で、詳しい事故原因の調査が進められている。
この事故の復旧は翌7日夕方までかかったため、KORAILの列車をはじめ、並行するKTX(韓国高速鉄道)やKORAIL・ソウル交通公社直通運行の通勤路線「首都圏電鉄1号線」などのダイヤが大幅に乱れ、特に7日朝の通勤時間帯はソウル市内の主要駅で激しい混雑となった。

【テロ】トルコ・イスタンブールで爆弾テロ、クルド人系反政府組織が関与か
[被害]死者6人 負傷者80人以上
2022年11月13日16:20頃(日本時間同日22:20頃)、トルコ最大の都市イスタンブール中心部のイスティクラル通りで爆弾テロによる爆発が発生、6人が死亡、80人以上が負傷した。トルコ政府はこの事件に対し、クルド人らの反政府武装組織が関与したと断定し、実行犯ら40人以上を拘束した。また、テロに対する報復としてクルド人武装組織の掃討を目的とする隣国シリアに対する軍事攻撃を強めている。イスタンブールでの爆弾テロ事件は2016年以来。またトルコ国内でのテロについては2017年にIS(イスラム国)による大規模なものが発生していたが、近年は落ち着いていた。

【自然災害】インドネシアでM5.6の地震 310人死亡
[被害]死者310人 行方不明者24人
2022年11月21日13:21頃(日本時間同日15:21頃)、インドネシアのジャワ島に位置する西ジャワ州でM5.6の地震が発生した。この地震で2万2000軒以上の家屋が損壊し、310人が死亡、24人が行方不明となり、およそ5万8000人が住居を失った。被害は西ジャワ州のチアンジュール付近に集中しており、学校や病院、モスク、行政機関等の建物も損壊した。一部報道によると、地震発生時はイスラム教の学校やモスクでコーランを暗唱するため人が集まる時間帯であり、犠牲者の多くは学校に通っていた子どもという見方もある。また、各地で土砂崩れが発生し、孤立した集落では救出活動が遅れる事態となった。インドネシアの気象当局は、この地震は断層が水平方向にずれたために発生する横ずれ断層型地震との見解を示した。

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