原子力災害 屋内退避・避難計画改定へ 安定ヨウ素剤配布場所など記載 上越市

 上越市は2015年に策定した「原子力災害に備えた屋内退避・避難計画」を改定する。今まで記載のなかった安定ヨウ素剤の配布場所やスクリーニング、簡易除染の実施体制などを盛り込んだ改定案を15日、市議会災害対策特別委員会で示した。
 安定ヨウ素剤は、事故を想定している東京電力柏崎刈羽原子力発電所から30キロ圏内(UPZ)からの避難者に配布する。配布はバスで避難する場合、市内16カ所の一時集合場所(学校、体育館など)、自家用車で避難する人にはおおむね30キロ圏外に設けるスクリーニングポイントを想定する。スクリーニングポイントは、県が候補地としている市内10地点を反映させ、実施主体や対象者を明確にした。
 感染症対策との両立で課題となっていた、一時集合場所での換気については「放射性物質の放出に注意しつつ30分に1回程度、数分間窓を全開にするなどの換気を行うよう努める」と記載が追加された。近藤彰治氏(政新ク)は換気をどのように行うか質問。「国の原子力災害対策本部が、周辺の放射線量をモニタリングしながら、換気について指示を出すと聞いている。現場にも線量計を置くが、国の指示に従う」とした。
 市は改定案について27日から1カ月程度、パブリックコメントの期間を設ける予定。寄せられた意見を反映した上で、来年3月にも計画を改定することにしている。

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