「12月、山口市はクリスマス市になる。」 14回目の「きずな音楽祭」 LE VELVETSと高校生ら150人が共演

 日本で初めてのクリスマスミサ(1552=天文21年)がここ山口で執り行われたとの史実を地域のブランド力向上やにぎわいにつなげようと、「日本のクリスマスは山口から」(日クリ)事業は1997年の初開催以来約25年、地域の人たちの手により続けられてきた。「日本のクリスマスは山口から実行委員会」(岡部達矢委員長)は、「12月、山口市はクリスマス市になる。」と今年も宣言し、趣旨に賛同する催しが、新型コロナウイルス感染拡大防止を図りながら、12月の山口市を舞台に繰り広げられている。

 毎年恒例の「山口きずな音楽祭」は、10+4回目。2019年から「10回目という節目を超え、これからの10年を、新しいステージにしていきたい」との思いを込めて「10+」回との表記になっており、今回で14回目を迎える。

 2013年の第6回から、コロナ禍の2020年を除いて出演を続けている「LE VELVETS(ル ヴェルヴェッツ)」が、パフォーマンスを披露する。メンバーは、佐賀龍彦、佐藤隆紀、日野真一郎、宮原浩暢の4人で、全員が身長180センチ以上かつ音楽大卒の実力派男性ボーカルグループだ。グループ名は、上質でなめらかな生地「Velvet」(ヴェルヴェット)に由来し、音楽評論家で作詞家の湯川れい子が命名した。クラシックはもちろん、ロック、ポップス、ジャズ、果ては民謡に至るまで、さまざまなジャンルを自在に表現し、舞台やミュージカルなど、それぞれがソロでも活躍している。

▲LE VELVETS

 昨年の同コンサートは、軽度の脳梗塞を発症した佐賀が休養中だったため、3人での公演だった。4人フルメンバーでの「山口きずな音楽祭」出演は、2019年以来3年ぶりとなる。

 また、同コンサートでは、一般公募の「クリスマス市民クワイア」が、事前練習を重ねた上で当日のステージに上がり、日クリのテーマ曲「きずな」(作詞:湯川れい子、作曲:宮川彬良)を彼らとともに披露するのが恒例となっていた。今回は、山口市内の高校生らが共に歌う。出演するのは、山口高校、山口中央高校、野田学園中学高校の各合唱部と、山口高校管弦楽部、山口中央高校オーケストラ部で、総勢約150人だ。「きずな」を含め、3曲を披露する予定。

 開催日時は、クリスマス当日の12月25日(日)午後5時半から。会場は、山口市民会館(山口市中央2)。前売券は、一般6000円、学生(小中高生)3000円で、山口市文化振興財団チケットインフォメーション(YCAM内、TEL083-920-6111)かコンビニエンスストア設置端末で購入できる。当日券は、各500円高。託児サービス(有料)は、12月18日(日)までの申し込みが必要だ。詳細はウェブサイト(http://www.kizunaxkizuna.com/)で。

 さらに、当日の午前10時から午後6時まで、山口市民会館の中庭および小ホールでは、山口の良いモノを集めた「つなぐ、キズナDay」も開かれる。

「未来を奏でる光のアンサンブル」など 山口の灯りも各所で

 この時季の風物詩ともいえるイルミネーション「山口の灯り」が、市内各所にお目見えしている。

▲シンボルイルミネーション

 亀山公園広場(山口県立美術館横)には、日クリのシンボルとも言える旧サビエル記念聖堂を模したシンボルイルミネーションが点灯中。初登場した2009年から2018年までは、新亀山公園ふれあい広場や一の坂川交通交流広場で輝いてきたが、2019年からは同所で灯されている。その近くには、愛と絆の象徴「LOVEオブジェ」が、昨年に続いて設置されている。

▲LOVEオブジェ

 近くの木々は、山口市の光のコンセプト「未来を奏でる光のアンサンブル」をテーマに、色とりどりにライトアップされている。過去に、“西洋と東洋”、”キリスト教”と“仏教”、“古い価値観”と“新しい価値観”などの「重なり」が山口市の未来を作り出してきたと振り返り、重なり合うこと(=アンサンブル)で強さや未来が生まれると、昨年そのテーマが定められた。そのコンセプトアイコンが描かれた行灯も、遊歩道に並べられている。

▲「未来を奏でる光のアンサンブル」

 点灯される期間は12月31日(土)までで、時間は午後6時から10時。

 その他山口市中心部では、C・S赤れんが前庭「ハートツリーMOMI」、大殿大路・竪小路周辺の「大殿あかりさんぽ」、中心商店街の一部などがライトアップされている。さらに、象頭山山頂「光る象のイルミネーション」、山口大学正門付近、中原中也記念館前カイヅカイブキ、JR新山口駅北・南口駅前広場なども、鮮やかな光で彩られている。

▲中原中也記念館前
▲JR新山口駅北口

 12月17日(土)から1月9日(月・祝)までは、山口市阿東にある高さ20メートルを超える2本のもみの木に電飾が施される「クリスマスナイトフェスティバル」もある。会場は、阿東地域交流センター地福分館。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 その他、「クリスマス市」関連イベントについては、公式ウェブサイト(http://www.xmas-city.jp/)を参照のこと。

© 株式会社サンデー山口