設備パトロールを自動化 ロボットなどがデータ収集 送信、AIが解析、異常検知 東北電力上越火力発電所1号機

 東北電力(本店・仙台市)は16日、上越市八千浦の上越火力発電所1号機に導入した設備パトロールの自動化システムを公開した。設備点検を担当するロボットなどから送られるデータを人工知能(AI)で解析し、異常を検知する。同社が設備パトロールの自動化システムを導入するのは初めて。

設備を点検するロボットとドローン。設備パトロールの高度化が期待される

 火力発電所内は多くの配管やバルブ、計器などがあり、作業員による点検は相当の時間がかかる。同社は効率化のため、2019年からBIPROGY(ビプロジー、東京都)と、ドローンやAIを活用したシステム開発に取り組んできた。
 ロボットは高さ180センチ、重量60キロ。秒速0・1メートル程度で進み、カメラでバルブなどを撮影する。下層階の点検を終えると自らエレベーターのボタンを押し、上層階に上り点検を行う。点検したデータはクラウドに自動で送られ、AIが解析。中央制御室で監視する。検知精度は現状80%程度で、今後さらに引き上げる考え。
 同社火力部の佐々木超悟・火力デジタルイノベーション推進担当は「火力発電所はパトロールに多くの時間を要したり、経験のある作業員が必要で、効率化に取り組んできた。(システム導入により)人が検知できなかったものを検知できたり、高度化に寄与すると考えている」とした。

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