川崎のマンション自主防災組織 台風19号教訓に活動強化

消防署と連携し、はしご車を使って行われた防災訓練=川崎市高津区(自主防災組織提供)

 川崎市高津区のマンション「溝の口ガーデンアクアス」(855世帯)の住民でつくる自主防災組織が、2019年の台風19号(東日本台風)による被害を教訓とし、取り組みを強化している。11月には地元消防署と連携して防災訓練を実施。住民や地域と関係を築き「いざ」に備える。

 同マンションでは、東日本大震災をきっかけに住民の防災意識が高まり、管理組合が中心となって16年6月に自主防災組織が発足。住民約10人がメンバーとなり、毎年防災訓練などを行っている。災害時に、住民が玄関のドアに貼って無事か要救助かを知らせる2種類のステッカーも作製して全世帯に配布し、訓練で活用している。

 住民の意識をさらに高めたのは、19年の台風19号だった。多摩川が氾濫し市内のマンションでも浸水被害が発生、部屋にいた住民が死亡したほか停電、断水が起き、復旧に時間がかかったケースもあった。

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