三浦の陶芸工房に善意続々 燃料の木材確保で「窯だきめど立った」 

短く切断された幹を軽トラックに積む田中さん(中央)ら=三浦市の潮風スポーツ公園

 新型コロナウイルスなどの影響で燃料のまきが不足している神奈川県三浦市内の陶芸工房に、善意の声が次々と届いている。神奈川新聞の記事でまきに使う木材の提供を呼びかけたところ、多くの反響があった。「来春には窯だきのめどが立った」と関係者は喜んでいる。

 同市南下浦町金田の陶芸工房「夢窯」は、県内でも数少ない様式の穴窯を使っている。毎年秋には一度に500個の作品を5昼夜にわたって焼くが、今年は新型コロナ禍で伐採作業が滞ったことなどから必要な木材が確保できず、断念した。

 共同代表の田中史郎さん(72)によると、11月8日の神奈川新聞でまき集めに苦労していることを紹介したところ、潮風スポーツ公園(同市初声町下宮田)や市役所のほか、大工、造園業者、市民からも連絡があった。話を聞いて、まきに使える太い木材の提供を受けている。

 今月7日には、ナラ枯れした樹木などを同公園へ引き取りに行った。既に短くされた幹のほか、一部は自分たちで切断して軽トラックに積んだ。同公園では以前から倒木や剪定(せんてい)した枝木を希望者に提供しており、山内雄己施設長は「有効利用してもらえれば」と話していた。

 田中さんは「まだ火力の強いアカマツが足りないが、本当にありがたい。このつながりをこれからも大切にしたい」と感謝している。

 問い合わせは、夢窯電話070(3273)0223。 

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