未来社会実験場として充実図る 大阪・関西万博

 岸田文雄総理は20日の国際博覧会推進本部で「大阪・関西万博は新型コロナウイルス感染症を乗り越えた先の、新たな時代に向けた国家プロジェクトだ」とし「様々な分野の施策を万博と連携させ、未来社会の実験場として内容の充実を図る」と述べた。

 岸田総理は「全国の自治体と参加国との国際交流、訪日プロモーションや国際会議等の誘致、万博来場者の全国への誘客、万博への修学旅行・校外学習の促進、万博を契機とした日本の文化芸術、食文化の魅力発信、スポーツ交流などを進める」とした。

 また「気候変動やSDGsなどの地球規模の課題について、テーマごとに国際的な対話やビジネス交流などを集中的に展開するテーマウィークを万博期間中に実施する」考えも述べた。

 大阪・関西万博は2025年に開催予定。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに「ポストコロナの時代に求められる社会像を世界と共に提示していくとともに、リアルとバーチャルを融合させた新しい国際博覧会の姿を打ち出していく」としている。

 このうち「空飛ぶクルマ」については遊覧飛行や二地点間移動など万博での活用と事業化を目指すとしているほか、水素発電やアンモニア発電により万博会場へ電力供給することを目指す。太陽光、風力などの再エネを活用した水素と生ごみを発酵させて製造したバイオガスからメタネーションし、万博会場内の都市ガス消費機器で利用する実証を進める。

 また「多言語翻訳技術」についてはAIによる実用レベルの「同時通訳」を実現するための研究開発を実施し、大阪・関西万博に実装活用することにより、「言葉の壁」から解放された万博体験を実現する、としている。(編集担当:森高龍二)

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