乗降客1万人増目指す 20超の促進策実施へ JR大糸線「振興部会」

 JR西日本の大糸線(南小谷―糸魚川間)について、糸魚川市を含む沿線自治体などで構成する期成同盟会に設けられた振興部会の会合が23日、長野県大町市役所で開かれた。
 会議は冒頭を除き非公開。部会によると、2023年4月から利用促進のため、既存・新規合わせて20件以上の事業に取り組むこと、先行して情報発信を行うことを決めたという。上位組織の期成同盟会に報告する。
 利用促進策は新潟、長野両県や沿線自治体、商工観光団体から募った。スタンプラリーやツアー造成、メールマガジンの発行の他「沿線一体事業」として乗降調査や企画列車の運行を計画している。長野県は松本―糸魚川間の快速列車運行を挙げた。JR西も加わる。今後各自治体などで予算確保を進める。部会は利用促進策の積み上げで、年間1万人の利用客増を目指す。
 JR西は10月、南小谷―糸魚川間で行った乗り込みによる利用状況調査結果を示した。乗客の86%は旅行客で、日常利用は8%、学生の通学は4%にとどまり、引き続き生活路線としての利用は課題だ。 

会議終了後、報道陣の取材に応じる五十嵐部会長(右から2人目)ら(長野県の大町市役所)

 会議終了後、五十嵐博文部会長(糸魚川市都市政策課長)は「沿線自治体が個々にやってきたことを、一体感をもって取り組むことは有意義だ。しかし国が示しているボーダーライン(輸送密度1000人)にはまだ届かない。利用人数の目標値を設け、そこに向け着実に一歩を踏み出したい」と述べた。

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