菊池桃子に伊藤つかさ【80年代アイドル総選挙】個性と表現力で異世界に連れてって!  あなたの1票で80年代ベストアイドルが決まる!

華やかなパラレルワールド、TVの国から来たキラキラ星人

ああ、なんて眩しいのだろう! 80年代、ブラウン管の向こうで笑顔を振りまいていたアイドルはまさにTVの国から来た “キラキラ星人” だった。彼女たちを観ていると、違う世界に連れていかれるような感覚になる。70年代の「ドラマ性」を引き継ぎつつ、プラス個性と企画と演出で存分に弾ける「遊び感」も楽しかった。そのステージは華やかなパラレルワールド。

今回選んだ10人は、時に私の空想世界にパステルカラーのハートや角が少し丸い星を飛ばしてくれ、時にバイクの轟音を聴かせてくれたヒロインたち。順位付けに悩んでいる間も、頭の中で彼女たちがメリーゴーランドの如く回り、「考えず、感じて!」と私を励ましてくれた。ちょっと「思い出し酔い」してしまっている。なんとも不思議に心地いいトリップである。

第10位:小泉今日子

自らバッサリショートカットにし、歌でもCMでも雑誌でも、新たな試みをガンガンしていくキョンキョンはまさに「文化の子」だった。ただ、私は彼女が聖子ちゃんカットの頃、デビュー曲「私の16才」から「春風の誘惑」の時期がたまらなく好きだ。マシュマロのような甘さ! しかも彼女の声は、心地いい湿気を持っている。例えるなら、鼻にあてたときビックリするほど肌に馴染む高級ティッシュのあのイメージ。地がものすごく王道だからこそ、奇抜さも映えるのだろうと思うアイドルである。

第9位:少女隊

私にとって、少女隊は色褪せない青春の1ページである。当時愛読書だった氷室冴子さんの『クララ白書』の映画実写化の主演をつとめ、最高に瑞々しく演じてくれていた。デビュー曲「FOREVER〜ギンガムチェックstory〜」のダンスシーンの感動はまさにFOREVER(永遠)! デビュー当時、30億円というプロモーション費用ばかりが話題になったが、体力気力を削りながら、ヒリヒリとした輝きと実力を増していったその姿は女戦士のよう。声を大にしていいたい。もっと評価されてよかった。

第8位:松田聖子

歌唱力の高さはもちろんだが、独特の横揺れダンスでなびくスカートの端から「時代の風」を感じるほどの存在感。ブリッ子という新定義の確立、スキャンダルを恐れない鋼のメンタル、そして日本中がもれなく同じ髪型になった聖子ちゃんカット――。 そのマンパワーにひれ伏すばかりである。私も中学生の頃、彼女の髪型を真似したものの破壊的な仕上がりになり、家族に笑われたなぁ。くっ…! 懐かしい。好きな曲は「花一色」。シングルB面も良曲多し!

第7位:松本伊代

キューティー爆弾! 顔の半分はあるかと思うような大きな目で「♪伊代はまだ16だから〜」と個人名と年齢を入れて歌う「センチメンタルジャーニー」もキャッチーだが、「TVの国からキラキラ」が素晴らしい! 私の中で、歌詞、曲、セリフ、振り付け、全てにおいて「アイドルの定義」が揃ったパーフェクトな1曲である。キラッキラの衣装で、バックダンサー “キャプテン” を従え、「♪お花いっぱいフワフワ 飛んで行くわ」と歌う彼女には一切影を感じない。もし「花の82年組」が1組のアイドルグループだったなら、センターは彼女だろう。

第6位:河合奈保子

「もっといろんな歌を聴きたかった」部門では第1位である。素晴らしいナイスバディとやさしいお人柄が出た笑顔。そして伸びやかな声が活かされた「スマイル・フォー・ミー」「夏のヒロイン」はもちろん好き。けれど、それ以上に水分たっぷりに来生たかおワールドを歌いあげた「疑問符」、大人になった彼女の美しさが姿・声ともに天女レベルに昇格し、神々しささえ感じる「十六夜物語」は永久保存版。

第5位:斉藤由貴

明らかに運動神経が悪そうなのに、眼ヂカラで、スケバン刑事・麻宮サキを「アリ」にしたあの演技力。歌唱中、常人には見えない妖精を確認しているような浮遊する視線。「卒業」での「制服の胸のボタンほゥ……」、「情熱」での「じょほゥ……ねつ」といった、独特な「ほゥ」の発音!!  この3点の威力は凄まじい。魅力を超え魔力を感じるアイドルだ。私の神、谷山浩子さんの世界観と相性がいいのもポイント高し。アルバム『age(アージュ)』は名盤中の名盤。

第4位:三原順子

私が生まれて初めて熱を上げた女性アイドルである。ドスの利いた声、そして肝が据わった麗しい顔つき。自分とかけ離れているからこそ、その華やかなヤンキーオーラに震えるほど憧れた。『3年B組金八先生』『GOGO! チアガール』など女優活動も追いかけたものだが、やはりガツンと響く低音を活かした歌が最高。プールサイドと浮気をひっかけ「あなたはどっちサイド?」と彼氏ににらみを利かせる「サニーサイド・コネクション」を特に推す!

第3位:中森明菜

ダンス、衣装、ヘアスタイル、仕草、表情。まさに全身全霊をかけて歌の世界をドバシャーッと目の前に広げてくる! おかげで、『ザ・ベストテン』や『夜のヒットスタジオ』で彼女が出るたびに、違う国に連れていかれた。そのセルフプロデュース力や悲しい歌詞への陶酔力は正直「アイドル」と呼ぶにはかなり重い。なのに、彼女からは親近感がなくならず、「明菜ちゃん」と “ちゃん付け” で呼びたくなる不思議。音楽を聴いて脳内がシビレルという初体験をした「BABYLON」(アルバム『BITTER AND SWEET』収録曲)は私の稲妻記念曲。

第2位:伊藤つかさ

子役出身で表現力は見事なのに、歌はまったく “慣れて” いないバランスも込みで、凄まじい純度で少女期のつたなさ、儚さが伝わってくる。カラオケ文化が浸透した現代、もうこんな「無意識ピュア」なアイドルは出てこない気がしている。私まで彼女の瞳と八重歯を経由し、美しい風景を観る錯覚を受けドキドキ。セカンドシングル「夕暮れ物語」は子犬と一番星が見えて何度聴いても泣ける。菊池桃子もそうだが私は「透明感のある呟き声」に滅法弱い。

第1位:菊池桃子

アイドルの天才だと思う。ウィスパーボイスの魅力を歌謡界に知らしめた功績は絶大。声量の少なさすら魅力に変える「曲を演じる」表現力よ! 彼女が歌えば季節の風が吹き、宇宙が近くなる。ひとり広い舞台に立ちあの囁くような歌声で場を包み込む1985年の日本武道館コンサートの映像は「可愛いを自覚し、魅せる覚悟を持った人の可能性は∞」という方程式の証明を見せられた気がした。5枚目のシングル「BOYのテーマ」から溢れ出る特別感も凄まじい。映画『テラ戦士BOY』、また観たいなぁ。

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カタリベ: 田中稲

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