お年玉いくらあげる? コロナ禍や物価高の影響も 「応援」「感謝」「葛藤」…

 2023年のお年玉事情は-。長崎新聞社は23~25日、正月を先取りして双方向窓口ナガサキポストのLINE(ライン)登録者に尋ねた。あげる側の思いは「好きなものを」「自己投資に」などとさまざま。一方で新型コロナ禍や物価高を受けた「変化」も寄せられ、世相を反映した。

 ■高校以上8割

 いつまであげるか尋ねると、回答者324人のうち「大学生・専門学生」が半数の164人、「高校生」は3割強の110人に上った。アルバイトを含め「自分で稼げるまで」との理由が多い。20歳を基準に、最後のお年玉を「成人祝い」として奮発する人も。社会人にもあげる人は「母や祖母に感謝」(時津・50代男性)、「帰省の交通費の足しに」(川棚・50代女性)と気持ちを込める。一方で雲仙の50代女性は、子が成長するにつれて金額も大きくなるため、自分や夫のきょうだいと相談して「なくそうと決めた」。

 ■もめないよう

 金額の目安を千円単位で聞くと、最も多い回答は▽未就学児千円▽小学生3千円▽中学生5千円▽高校生5千円▽大学生・専門学生1万円-で、それぞれ回答者の4~5割を占めた。
 金額の決め方について、長与の60代男性は「小学生は学年×千円、中学生は学年に6を足した数字×千円、高校生1万円」と独自の計算式を披露。長崎の70代男性は「子どもの応援」として、年齢に関わらず1万円を贈る太っ腹な金額設定だ。親戚同士での「調」も重要で「家によって差が出て、もめないよう話し合う」(長崎・50代女性)などの意見も目立った。

 ■初めて減らす

 総額予算は最も多い人で10万円程度。6万~9万円の人も複数いた一方、「余裕はない」「減額したい」と厳しい経済状況を反映した声は少なくなく、大村の70代女性は「物価高に備え初めて減額体制」という。ただ「気を使わせない」「未来への投資」「寂しい思いをさせない」などと、葛藤しつつ現状維持を選ぶ人も相次いだ。「1年間で少しずつ『お年玉備え』をする」(長崎・50代女性)と“積み立て派”もいた。
 捻出して渡すお年玉。その使い道は、回答者の3分の1以上が「好きに使って」「自由に」と任せるようだ。他には「一部は貯金を」「計画的に使える人になって」「宝物になるものに使って」といった多様な願いが込められている。

 ■こっそり多め

 「新年の抱負を聞いてから」「小学校入学まで硬貨」「購入物は必ず見せる」「わが子は図書カード」などのルールを決めている家庭があった。新型コロナ禍で親戚の集まりがなく「郵送」「送金」との回答も複数。あげ方に工夫を凝らす人もいて、五島の50代男性は「金額を『2023円』など新年に合わせる」、島原の70代女性は「金額を変えたお年玉を室内に隠して宝探しをする」という。
 「両親にお年賀を渡しているが、母の方はこっそり多めに入れる」と佐世保の30代女性。長崎の40代男性は「昔は家を渡り歩き、親戚の名前やつながりを覚えた」と回顧し「今どきの子に千円あげても喜ばないのは切ない」とぼやく。時津の50代男性は「2千円札をあげたら『使いにくい』とブーイングを受けた」という。
 「祖母がくれた袋に入っておらず、お金より大切なことを見つけなさいという意味かと思った」(長与・40代女性)、「姑(しゅうとめ)にもらったが空っぽ。言うか迷って結局言えず」(川棚・50代女性)との声もちらほら。慌ただしい年末年始。入れ忘れにはご注意を。(三代直矢)

© 株式会社長崎新聞社