災害備え「ローリングストック」普及を 島原市が民間企業と連携

ローリングストック普及のために開かれた会議=島原市役所

 長崎県島原市は民間企業と連携し、災害への備えとして、食品を蓄えつつ消費したら買い足す回転備蓄(ローリングストック)の普及を進めている。啓発活動を通し、災害対応が日常となる市民生活の醸成に取り組む。
 市の災害対策強化の一環として実施。昨年7月、市民の健康増進や災害発生時の支援などに関する包括連携協定を結んだ大塚製薬福岡支店(福岡市、笠間康久支店長)が協力する。
 23日、市役所でローリングストック普及のための会議があり、同市や同支店、島原商工会議所の関係者ら約10人が参加。金子忠教副市長は「災害への備えとして、各家庭・企業で一定量の備蓄が必要。仕組みづくりを考えたい」、笠間支店長は「安心して暮らせる街づくりの一助にしていきたい」とそれぞれあいさつ。
 同支店担当者が、防災品売り場の展開などによる啓発方法を紹介。「市民の目に触れることで、小売店が防災意識を高めるための情報発信拠点となる」と指摘したほか、企業を対象とした備蓄循環ビジネスモデルの考え方も説明した。
 また、日常と災害時の垣根をなくす防災概念「フェーズフリー」の浸透が重要で「いつも使う施設や商品を、もしもの時も役立てることが大切。自然に災害対策を取れる日常の醸成が、効果的な災害への取り組みになる」と強調した。

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