綿花で彩るしめ飾り!半年かけて自家栽培した綿花を使った、しめ飾りづくりの講座に参加しました

倉敷市には日本遺産として3つのストーリーが認定されています。

その1つは、「一輪の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~」です。

「もちろん知っていますよ」と答えるかたもいるかもしれませんが、実際に綿花を育てたことはありますか?

倉敷市日本遺産推進室の取り組みで、2022年の春先にもらった綿の種をプランターで育て、自らの手で収穫したコットンボールを持ち寄ってしめ飾りを制作する講座が開催されました。

「オリジナルしめ飾り」をつくってきましたので紹介します。

2022年春〜:綿花栽培

2022年4月某日、10~20粒ほどの綿花の種が倉敷市日本遺産推進室から送られてきました。

さっそくプランターなどに植え付けると5月にはかわいい双葉が芽を出します。

すくすくと育って背丈は50センチメートルを超えました。

最初に綿花が花開いたのは7月

可憐(かれん)なその姿は鑑賞用としても申し分ない美しさです。

花びらが落ちたあとには、ラグビーボール状の緑の球が現れました。

そしてある日、緑が弾けて「コットンボール」が出現

コットンボールって、そのまんま綿なのですね。

当たり前ですが、新鮮な驚きでした。

2022年12月:収穫したコットンボールでしめ飾り講座に参加

2022年12月22日、収穫したコットンボールを小脇に抱えて講座に参加しました。

なんだか通常の講座よりも力が入ります。

机の上には材料が準備されていました。

上部にあるのが持参したコットンボールで、右下には広報くらしき新年1月号が置いてあります。

そう!まさにこの講座の成果物が表紙を飾っているんです。

はやる気持ちを抑えて、講座の最初は倉敷物語の復習をしましょう。

  • 倉敷のまちの多くは江戸時代に干拓によって開発されました
  • 塩分の多い干拓地では、すぐにはお米を作ることができません
  • そこで始まったのが塩分に強い綿花の栽培です
  • 今日(こんにち)のデニム産業につながる倉敷物語はこうして始まったのです

という内容を、倉敷の小学生はまんがで勉強しているのだそうです。

しめ飾りづくり その1:コットンボールへのワイヤー掛け

いよいよ、しめ飾りづくりの始まりです。

最初に行なったのは、主役のコットンボールへのワイヤー掛けです。

コットンをしめ縄に取り付けるためのワイヤーをコットンに掛けておきます。

グルーガンでの固定は、しなくても大丈夫でした。

しめ縄は神聖な神の領域と、不浄な外界を区分する結界に用いられます。

新年に門口に張るのは、わざわいの神が内に入らないようにするためです。

そのしめ縄を飾っていきましょう。

しめ縄の飾り付ける場所を見定めて、そこに松葉をしっかりと縛り付けます。

続いて主役の位置決めです。

私のしめ縄は真っ白だったので、コットンを4つ束ねてしめ縄と被らない位置に取りつけることにしました。

コットンを取りつけるといっても、ワイヤーのとめかたにはコツがありました。

図のように束ねた側をくるっと回したり、ワイヤーの先をつまんでくるくる回したり。

▼飾り付けの全体手順は、こんな感じです。

しめ飾りづくり その2:色づけ

主役の位置が決まって、ワイヤーのとめかたもわかってきたら、あとは気がおもむくままに赤や青や緑を使って色づけていきます。

えいや!と飾り付けてみました。

しかし、私がやるとこの程度です……。

なんだか落ち着きません。

そんなとき頼りになるのが先生です。

フラワーアレンジメントの浅野智子先生が手取り足取り教えてくださいました。

アクセントの青をまとめたり、デニム生地のリボンをつけたり、水引きは干支にちなんでうさぎの耳をイメージしたものに仕上げてくださいました。

▼そしてできあがったのがこちらです。

見違えるばかりのしめ飾りが完成しました。

おわりに

「一輪の綿花から始まる倉敷物語」が日本遺産に登録されて、2022年で5年が経過しました。

この間に以下のような取り組みが行われたそうです。

  • 小学生は倉敷物語マンガに振れる
  • 高校生は魅力発信動画を撮影する
  • 老若男女が参加して日本遺産カルタが制作される

綿花の復活栽培と、子ども服づくりなども行われていると聞きます。

あらためて綿花が倉敷に根付いてきたように思います。

綿花は倉敷を訪ねてくれる多くの人々の旅の思い出にもなっていると思いますし、倉敷に住む私たちのアイデンティティにもなりつつあるのではないでしょうか。

2023年2月にはこどもまつりのカルタ取りもあるようです。

ゆかりの地を巡るもよし。ぜひ、倉敷の綿に触れてみてください。

そして2023年の春先から、綿花を育ててみませんか?

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