神奈川・平塚で進める新産業創出促進事業 ヤフー、2年連続で「企業版ふるさと納税」に選定

排ガスを出さない脱炭素化の電池式推進船の実証実験=1月31日、平塚新港周辺

 神奈川県平塚発のクリーンエネルギーの実用化を目指し、平塚市が官民で波力発電関連分野の技術研究を進めている新産業創出促進事業が、「企業版ふるさと納税」によるIT大手ヤフーから2年連続で寄付対象に選定された。強力な支援を受け、引き続き脱炭素化に向けた研究開発を加速させる。

 同市ではこれまで、平塚新港で波力電力の研究開発を推進。昨年9月に企業版ふるさと納税制度を活用したヤフーからの寄付を受け、産官学が連携して漁業の脱炭素化を目指し実証研究を重ねてきた。事業支援の継続で今年9月、同社はさらに3千万円を寄付した。

 2月には東京海洋大、市漁業協同組合などの協力を得て、動力源が電力で、排ガスを出さない電池式推進船のテスト走行を実施。市産業振興課は「時間はかかるかもしれないが、まずは(漁業の)作業船として電動化したい」と話す。

 2025年を目標に波力発電の商用化を掲げており、今後は発電の低コスト化なども課題になるという。

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