逗子市の小坪漁港で、今が旬のカキの試験養殖が始まった。磯焼けや魚の食害で収穫が減ったワカメ養殖に代わる新たな収入源として、県水産技術センター(三浦市)が各地で普及を呼びかけており、地元漁師が取り組んでいる。来年春ごろには出荷サイズに成長するといい、事業化へ向けた試金石としたいという。
11月中旬、同漁港の一角にオーストラリア発祥の三角柱型の籠を設置した。一つの籠に体長6センチほどの徳島産のマガキの稚貝50匹を入れた。うまくいけば、来春には倍ほどの大きさに成長するという。
籠が波で揺れると、中でカキ同士がぶつかる。カキの養分を奪うホタテや海草が貝殻に付着しづらくなり、生育が良くなるという。この籠は全国各地で導入されているが、県内では初という。このほか、小坪で自生していたマガキを入れた漁師自作の籠も設置した。