厚木に伝わるセミ形の「せんみ凧」、地元小学生が制作中 「師匠」に教わりミリ単位で設計

保存会のお年寄りに教えられながら、せんみ凧に色を塗る小学生=厚木市立玉川小

 厚木市立玉川小学校(同市七沢)の6年生が地域に伝わる、セミをかたどったたこ「せんみ凧(だこ)」作りに取り組んでいる。地元の「玉川せんみ凧保存会」(前場政行会長)の指導を受けて卒業制作として毎年行われており、本年度は29人が制作を続けている。

 せんみ凧は長さ30センチ、幅60センチ。10回程度の授業を行い作り上げる。保存会会員と児童らが昨年10月、地元の竹林から竹を切り出す作業からスタートした。保存会会員が竹を細く裂いた竹ひごで、子どもたちが羽や胴体を作った。

 8回目に当たる先月22日は色付け作業。胴体を黄色、ピンク、紫で塗り分けた。子どもたちは、保存会が用意したミリ単位の設計図を元に、頭や目、胴体などに塗り分けるための輪郭線を書き、筆でポスターカラーの色を塗った。

 保存会会員のお年寄りが児童の手元を見ながら「色は点々と付けずに、輪郭線に沿ってすーっと塗るように」などと丁寧に教えた。前場会長は児童から「師匠」と呼ばれており「師匠、師匠、ここのバランスはどうすればいいの」などと児童からあれこれと質問を受けていた。

 参加した會田結輝人(あいだゆうき)さん(12)は「せんみ凧作りは初めてだけど、すっごくやりたかった。だれよりも高く飛ばしたい」と目を輝かせて作業に取り組んでいた。2月20日に完成したたこを校庭で飛ばす予定。

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