選挙前、首相は誰と会っている?安倍首相、菅首相、岸田首相の動きを観察してみよう(データアナリスト 渡邊秀成)

第26回参議院選挙が2022年7月10日に実施されました。

選挙期間中の各政党党首の動きを観察すると、その移動距離に驚いたり、各政党がどの地域に重点を置いているのか等さまざまなことを推測することができます。

「首相動静」を見れば、首相の動きが観察できる

特に首相動静は、首相の動きが分単位で記載されているので、首相が誰と会っているのか、どこに移動したのかを知ることができます。

この首相動静について今回は観察していきたいと思います。

利用する首相動静データはNHK政治マガジン 総理、きのう何してた?からのものです。

(期間は2018年4月1日から2022年7月31日まで)

首相は選挙関係者にどれくらい会っているのか

まずは選挙関係者にどのくらいの頻度で会っているのかについて見てみましょう。

自由民主党の選対関係者等と首相がどの程度頻繁に会っているのでしょうか?

図1 首相と選挙関係者の接触

首相が選挙関係者と会っている日を黄色で塗りつぶしてあります。

2018年4月1日から2020年9月16日までが安倍首相、

2020年9月16日から2021年10月4日までが菅首相、

2021年10月4日から2022年7月31日までが岸田首相です。

安倍首相、菅首相、岸田首相の違い

カレンダーを見ると、安倍首相の頃は月に2回から3回ほど選対担当者と会っていることがわかります。

ただ、2020年9月16日から菅首相にかわると、2020年10月には頻繁に選対関係者と会っていることが確認できます。

安倍首相と比較をすると菅首相のほうが選対関係者等に会っている回数が多いように見えます。

(あくまでも首相動静から観察できる範囲ではあります)

そして2021年10月4日に岸田首相に代わると、10月には選対関係者との接点が多いことがわかります。

10月31日には第49回衆議院選挙が控えていたためなのかもしれません。

岸田首相は菅首相よりも多く選対関係者と会っているように見えます。

首相交代直後に衆議院選挙があり、2022年7月には参議院選挙が予定されていたことも関係していそうです。

各種業界団体にどれくらい会っているのか

続いて、医師会等の各種業界団体との面会がどの程度あったのかについても見ていきます。

図2 首相と業界団体との接触

安倍首相、菅首相、岸田首相の違い

安倍首相のころは全体的に在任中は均等に業界団体と会っているように思えます。

ただ菅首相に交代直後に業界関係者との面会がふえていることがわかります。

岸田首相に交代直後には菅首相のように面会はふえていませんが、

年が明け2022年に入ると各種業界団体との面会が増えていることがわかります。

著名な俳優等にどれくらい会っているのか

最後に首相と俳優との面会等がどの程度あったのかについて見ていきます。

著名俳優等と首相が面会した等の報道がなされることがあります。

首相が著名人と一緒に写っている写真をSNS上に投稿することで、SNS閲覧者に親しみを持ってもらう等の効果があるのかもしれません。

図3 首相と著名人との接触

安倍首相、菅首相、岸田首相の違い

このカレンダーを見ると、菅首相、岸田首相と比較をしても安倍首相は俳優との面会が多かったことがわかります。

まとめ

これら選挙関係者、業界団体関係者、俳優と首相との面会回数については、

どのような括りで分類するかで人により少しずつ数値が異なります。

したがってコレが唯一の正解というものはありませんが、おおよそ首相がどのような人と接点を持ったのかについて観察するには首相動静はとても便利な資料となります。

これらのデータを用いて、各自関心のある内容について調べてみるのも面白いのかもしれません。

今回は首相動静について観察をしてみました。

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