人気作家・三浦しをんが温泉町を舞台に描くほっこり小説『エレジーは流れない』

朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『エレジーは流れない』

人気作家の三浦しをんがのどかな温泉町を舞台に描く青春小説。心温まる小説をのんびり読みたいときにオススメの一冊です。

『エレジーは流れない』
著者:三浦しをん
出版社:双葉社

主人公は男子高校生の穂積怜。家は餅湯温泉の駅前商店街で土産物屋を営んでいる。怜は店を切り盛りする母を手伝い店番をし、食事の支度もすれば自分の弁当だって作る。

県立餅湯高校の友人たちと過ごす日々は、おおむね平穏といったところ。今日も学校の屋上で友だち数人とまったりお弁当を食べていると、餅湯博物館から縄文式土器が盗まれたというニュースが話題になって……。

怜の家庭をめぐる話や盗まれた土器の話の行方も気になるけれど、餅湯駅前商店街の人たちが怜と母親を温かく見守る人情に何より惹きつけられます。店が忙しいときは友だちが手伝いに来てくれたり、怜も仲良しの丸山くんの家の喫茶店を手伝いに行ったり。なんでもお互いさま。餅湯温泉の町を包み込むのんびりとした雰囲気もいいなあ。

この物語を読んだあとは心のなかの風通しがよくなった気がします。素敵な一冊をぜひ。

ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ

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