「派閥政治を引きずるな」 菅前首相が岸田首相へ忠告 野中氏とのやりとり、振り返り

菅義偉氏(資料写真)

 自民党の菅義偉前首相(衆院神奈川2区)は10日発売の「文藝春秋」のインタビューで、首相就任後も派閥会長を続ける岸田文雄首相に対し「国民の見る目は厳しくなる」と忠告し、派閥政治との決別を促した。

 菅氏は現在、無派閥。インタビューでは小渕(恵三元首相)派、古賀(誠元幹事長)派へ所属当時に総裁選で造反し、離脱した経験を回顧した。小渕派の野中広務元官房長官からの「政務官にしてやらねえ」との恫喝(どうかつ)に「やりたいと思っていません」と反論。そうした経験を踏まえ「派閥の意向に反発すればポストからはじくとかということをずっと疑問に思ってきた」と明かした。

 「政策本位で適材適所に人材を就けるのが大事」とした上で「自分が総理の時は派閥の推薦を受けずに人事を決めた。『推薦したら閣内に入れない』との感じを出して」と振り返った。

 岸田首相に対しては「派閥に居続けることが国民にどう見えるかを意識する必要がある」と指摘。「派閥政治を引きずっているというメッセージになる」などの懸念も表明した。

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