上越市仲町3の「百年料亭宇喜世」は15日、文化庁の認定事業「郷土の食おせちと伝統芸能を観賞する会」を開いた。食と建物、地域に伝わる伝統文化を楽しむ内容。モニター形式で20、30代の女性を中心に42人が参加し、アンケートにも答えた。
文化庁の採択を受けた「食でつながる日本の文化」認定事業の一環で、市の「地域の宝」認定を記念し、昨年12月に続く企画。館内を見学した後、市指定文化財「中正善寺獅子天狗舞保存会」の舞台を見て、食事は「百年料亭おせち御膳」を堪能した。
館内の見学では至る所に工夫をめぐらせた建物の構造や価値を知り、参加者から「すごい」「素晴らしい」と感嘆の声も漏れ、SNSアップ用に盛んに写真に収めていた。
会社の同僚4人で参加した上越市の原淳也さん(28)は初めて来館したといい、「とても勉強になった。近くにこんな歴史的な料亭があるとは知らなかった。またぜひ来たい」と話した。同僚2人と参加した同市の20代女性は「きょうは料理がメーンですが、建物もすてき。昔のものを残しつつ今風で、新旧が共存している」と感心していた。
説明に当たった加藤公一支配人は、普段は少ないという若者世代の来館を喜び、「地元の若い方々に見ていただき、次の世代に守りつないでいきたい」と意義を話していた。
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獅子天狗舞の動画