【Catch the Moment ⑥】ダイビングスローの瞬間!

大きなフィールドで、一球一球何が起こるか分からないのが野球。試合中の最高の瞬間を捉えるのは困難である。その中20年以上MLBカメラマンとして活躍する田口有史がこれまで捉えた「最高の一瞬(Moment)」を一話一枚ずつ紹介する。

ダイナミックな守備もMLBの醍醐味のひとつ。ボテボテの当たりとなった打球をサードがダッシュして「ダイビングスロー!」というシーンは写真からでもその選手の身体能力が感じられる。

この写真のホセ・ラミレスは毎年3割30本に近い成績。クリーブランド・ガーディアンズの主軸打者としての活躍と175cmという小柄でちょっとずんぐりとした風貌から、バッティングの選手という印象を与えがちだが、守備もとても器用にこなして上手い。

How to “Catch the Moment”

この時は三塁前にゆるいゴロが転がった瞬間、ラミレスのダイビングスローが撮れるかと思ってサードにレンズを向けた。ファインダーに姿を確認した走り出す打者。ラミレスの投げる瞬間に重なりそうと予測したため、ランナーにピントを引っ張られないようにピントの合わせ方に工夫をして、また、逆にそのランナーと送球を同時に写し込むことによって、ギリギリのスピード感を表現してみた。

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