神奈川知事、コロナ「ピークアウトまだ」 1万人下回る日続くも病床使用率は高止まり

黒岩祐治知事(資料写真)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、神奈川県が警戒レベルを4段階のうち2番目に深刻な「レベル3(医療負荷増大期)」に引き上げてから3週間が経過した。1日当たりの新規感染者数は今月9日以降、1万人を下回る日が続いているが、病床使用率は依然として高水準が続く。黒岩祐治知事は「なかなかピークアウトしない」と警戒感を示している。

 県内の感染者数は昨年10月中旬から再び増加が続く。県は感染者数の状況や、インフルエンザが3年ぶりに流行開始の水準を超えたことなどを踏まえ、昨年12月27日に警戒レベルを「レベル3(医療負荷増大期)」に引き上げた。

 コロナ患者用の病床使用率は昨年12月中旬から80%前後で高止まりしている。病床の逼迫(ひっぱく)によって、救急車の到着後も搬送先がすぐに決まらないケースも深刻化。消防庁によると、医療機関に受け入れ可能かどうか4回以上照会し、救急隊の到着から搬送開始まで30分以上かかった件数を集計した「救急搬送困難事案」は、1月9~15日の1週間だけでも横浜市消防局で541件、川崎市消防局で170件、相模原市消防局で61件に上ったという。

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