〈動画あり〉仕込み作業最盛期、柿崎区代々菊醸造、温度管理に気を配り、20日・大寒

 20日は大寒。一年で一番寒さが厳しくなる頃とされ、最も酒造りに適した日といわれる。上越地域の各蔵元で寒仕込みの最盛期を迎えている。
 柿崎区角取の代々菊醸造(中澤房尚代表取締役)でも19日、寒造りの作業が行われた。この日は蒸した酒米に麹(こうじ)菌をまいて冷まして攪拌(かくはん)。約30度に室温管理された製麹(せいきく)室に運び麹を造る。また、酵母を培養する酒母室のタンクに入れて酛(もと)仕込みを行った。
 中澤社長と4人の従業員が手際良く順に作業を進めた。製麹室は数年前に建て替えられ、秋田杉製で木の香りが漂う。仕込みの水には柿崎区旭平字吟田川(ちびたがわ、地名)の湧き水を使う。

蒸した酒米に種麹をまいて冷ます工程
秋田杉製の製麹室に運んで麹造り
酵母を培養するタンクに入れて酛仕込み

 同社は2007(平成19)年の中越沖地震で大きな被害に遭い、1カ月後の火災で倉庫などが焼失した。その後再建し「皆さんに協力、助けていただいた」と感謝する。コロナ禍で売り上げは激減したが、最近は以前の9割ほどに戻ってきているという。
 2月初旬まで仕込み作業が続き、2月上中旬から上槽(搾り)作業に入る。従業員の頭(かしら)、田中利明さん(75)は「今冬は温度が高いから(作業が)やりにくい。温度管理は一番難しい」と話す。中澤社長(68)は「自然と気候が相手なので、いつもビクビクしながらやっている。味を一定に保って、お客さんに良い物を提供できれば」と抱負を口にした。

◇仕込み作業の動画 

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