「角巻」「トンビ」着こなす 雁木の町屋見学楽しむ 3年ぶりに「あわゆき道中」

 かつて使われていた防寒着「角巻」「トンビ」を着て雁木の街並みを歩くイベント「あわゆき道中」が4日、上越市本町6などで開かれた。
 3年ぶりの実施で、案内役を含めて約30人が参加。雁木通りを歩いた他、歴史ある町屋を見学。町の風情を味わった。

角巻やトンビ姿で町屋の中を見学。大島電機では明治時代の高級料理屋の名残に見入る

 大島電機(同市本町6)は明治38年の建築で、元は牛鍋などを提供する料理店「牛丸」。西洋建築の意匠を取り入れた「擬洋風」が特徴で、2階の縦長窓などに意匠が見られる。今回は外観だけでなく、内部もじっくりと見学。天井にあったガス灯の取り付け口や、スキー民謡の歌詞がタイル張りの壁面に書かれた客用浴室など、歴史の深さを物語る部分に見入った。
 雁木通りの散策後は、テラスカイ(同所)で休憩。町屋倉庫を改修しオフィスとして使用しており、改修による違いなどの説明を受けた。広間での休憩中は、お茶請けとして切り干し大根の煮物が供された。NPO法人街なみFOCUSが大町の雁木通りで干して作った切り干し大根を使用しており、舌でも雁木を味わった。
 古民家や町屋が好きで参加したという大林美香さん(38、上越市)は「雁木やはりの太さなど、雪国の生活の工夫を感じることができた。角巻は祖母が着ていたので、自分も着ることができてうれしい」と話していた。

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