メッツ 昨季打点王アロンソとの契約延長には8年2億ドルが必要か

メッツは昨季の首位打者ジェフ・マクニールと4年5000万ドルという相場以下の値段で契約延長に成功し、次は主砲ピート・アロンソの動向に注目が集まっている。アロンソはマクニールよりも2歳若く、2019年に新人王と本塁打王、昨季は打点王に輝くなど実績も十分。メジャーリーグ公式サイトでメッツを担当するアンソニー・ディコモ記者は、ブレーブスと8年1億6800万ドルの長期契約を結んだマット・オルソンを比較対象に挙げ、同サイトのジョン・ポール・モロシ記者は8年2億ドル前後が必要になると予想している。

現在28歳のアロンソは、メジャーデビューした2019年に新人記録を塗り替える53本塁打を放ち、本塁打王のタイトルを獲得。その後も自慢のパワーを遺憾なく発揮し、短縮シーズンの2020年は57試合で16本塁打、2021年は152試合で37本塁打を放った。そして、昨季は160試合に出場して打率.271、40本塁打、131打点、OPS.869をマークし、打点王のタイトルを獲得。2019年新人王、オールスター・ゲーム選出2度(2019年と2022年)、ホームラン・ダービー優勝2度(2019年と2021年)といったアウォード受賞歴も豊富だ。サービスタイムはちょうど4年で、2024年シーズン終了後にFAとなる予定である。

ディコモ記者が比較対象に挙げるオルソンは、「28歳」かつ「FAまであと2年」という現在のアロンソと同じタイミングでアスレチックスからブレーブスへトレードされ、8年1億6800万ドルの長期契約を結んだ。ディコモ記者は「アロンソはオルソンの契約を上回りたいと考えるだろう」と分析。それを踏まえ、モロシ記者は「メッツとアロンソが契約延長を実現させる場合には8年2億ドル前後が必要」と予想した。

問題はメッツがすでにぜいたく税の最高税率に達していることだ。わかりやすく言えば、メッツが今後新たな契約を結んだ場合、その2倍近い金額を支払う必要がある。ぜいたく税の対象となるペイロールは、複数年契約の場合は期間中の年平均額で計算されるため、アロンソと早い段階で大型契約を結ぶと、ぜいたく税の対象額が増加してしまう。そうした事情を考慮し、ディコモ記者は「アロンソとの契約延長が先延ばしになる可能性がある」と指摘する。マクニールとの契約延長が実現したのは、マクニールが相場以下の値段で契約することを受け入れたから、というわけだ。

とはいえ、結局はアロンソの意思次第だろう。マクニールは「アロンソがどのような契約を望んでいるかわからない。FA市場に出てみたいと考えているかもしれないしね。彼の決断に任せるよ」と話している。

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