北方4島 ロシアが不法占拠のアピールを採択

 「北方領土の日」の7日、都内で北方領土返還要求全国大会が開かれ、「ソ連によって不法占拠されたまま今日に至っていることは決して許されるものではない」と現在のロシアによる『不法占拠』との表現を盛り込んだアピールを採択した。不法占拠との表現は2018年大会以来の使用で、ロシアによるウクライナ侵略行為を踏まえて厳しい表現を用いた。

 岸田文雄総理は大会であいさつし「戦後77年経過した今もなお、北方領土問題が解決されず、日本とロシアの間に平和条約が締結されていないことは誠に遺憾だ」と冒頭に語った。

 そのうえで「ロシアによるウクライナ侵略によって日露関係は厳しい状況にあるが、政府として領土問題を解決し、平和条約を締結するという方針を堅持している」と述べた。

 また岸田総理は「先程、脇千島歯舞諸島居住者連盟理事長から『せめて北方墓参だけでも再開してほしい』こうした切実な訴えがあった。北方墓参を始めとした四島交流等事業の再開は今後の日露関係の中でも最優先事項の一つで、1日も早く事業再開できるような状況になることを強く期待している。元島民の方々の思いに何とか応えるべく取組んでいく」と語った。ロシアによるウクライナ侵略がより深刻な状況になりつつあり、北方領土問題解決への道はより険しい状況になってきている。(編集担当:森高龍二)

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