リフレ上越不正受給問題 関与者2人の責任認める 内部調査まとまる 平井社長らが会見

 温浴施設「くわどり湯ったり村」やレストラン「ヨーデル金谷」を運営する上越市の第三セクター、リフレ上越山里振興(同市皆口)が雇用調整助成金など約3900万円を不正受給した問題で、同社は9日、弁護士による内部調査報告書が完成したとして、記者会見を開いた。

関与者2人の責任について述べるリフレ上越の平井社長(左)

 報告書は同社勤務の2人が意図的に書類を改ざん、タイムカードや出勤簿の一部、勤務シフト表などの証拠の破棄を認定。「2人に責任があるのは明らか」と結論づけた。
 平井民夫社長をはじめ取締役9人と監査役1人の責任も認めた。同社は新潟労働局から不正受給全額と全額の2割に当たるペナルティー、年率3%の法定利息の支払いを求められている。平井社長は「取締役会では(直接関与した)2人に支払ってもらいたいと考えている」とした。
 内部調査は昨年11月から2月2日まで、弁護士法人つばき(同市)の井之上彩弁護士が担当。現存する書類やメールのやりとり、関係者の聞き取りを進めてきた。
 報告書によると、関与者2人は実際の勤務シフトと異なる「助成金申請用のシフト表」を作成し、ハローワークに提出。新潟労働局の調査開始後、関係書類の訂正や破棄を行っている。ただ、どちらが指示したかについては2人の主張が異なる。井之上弁護士は職位の上下について「個人が特定されるため答えられない」とした。
 不正受給した助成金により、少なくとも5人の時間給・日給の従業員が実稼働より多い給与を得たが、それ以外の金銭がどう使われたかは不明だ。ヨーデル金谷のマネジャーが、新潟労働局による調査後、関与者2人に「正直に話した方が良い」と説得していたことも分かった。
 平井社長は今後の会社運営について問われ、「不祥事を起こしている以上(『くわどり湯ったり村』と『ヨーデル金谷』の)指定管理者を続ける資格はないだろう」と述べた。
 リフレ上越の会見終了後、同席した阿部俊和・市産業交流部長は報道陣の取材に応じ「指定管理の取り消しも含め検討したい」と述べた。

◇リフレ上越不正受給問題 1500万円支払う意思ある 関与者1人の代理人会見

 リフレ上越の会見を受け、責任があるとされた関与者2人のうち1人の代理人が同日記者会見を開き、不正受給により発生した損害のうち1500万円を支払う意思があることを明らかにした。

関与者のうち1人の代理人として会見した馬場弁護士

 代理人を務める馬場秀幸弁護士(上越市)は「依頼人ともう一人が関与したことは事実であり、責任がある点では争わない」と述べた上で「責任はイーブンであり、他方が1500万円を提供したと聞いている。依頼人も1500万円を支出する」とした。新潟労働局から返還を求められている金額の残額については「株主である上越市と会社が相談してほしい」と自身の見解を述べた。
 ただ、不正受給が公表されたばかりの昨年12月、平井民夫社長が記者会見で「(依頼人が)1人でやったこと」と発言したこと、それ以前に平井社長から「(リフレ上越の)他の借財を支払ってほしいと言われた」ことなどを疑問視。「リフレ上越は信用できない。まず信頼のおける代理人を立ててほしい」と求めた。
 また報告書の内容についても、依頼人が述べる事実が反映されていない点で「関与者2人の責任の内容については、完全に同意できるものでない」と批判した。

◇全員協議会で市が対応説明 10日に上越市議会
 上越市議会は10日、リフレ上越山里振興の不正受給問題について、同社から市に報告書が提出されたことを受け、全員協議会を開く。
 市は市議会に報告書の内容を伝えるとともに、今後の市の対応方針について説明するとみられる。

© 株式会社上越タイムス社