今年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック。第5回となる本大会には20ヵ国のスター選手が「ベースボールの世界王者」をかけた熱戦を繰り広げる。本シリーズでは2006年の初大会から撮り続けているカメラマン田口有史氏が捉えた、代表の母国を歓喜で打ち震わした歴史的な瞬間を紹介する。写真を振り返りながら、感動で泣け叫んだ瞬間、悔しさでうなりを上げた瞬間を思い出そう。
日本が３連覇を目指した第３回ワールド・ベースボール・クラシック。メジャーリーガー不在で挑んだ日本は準決勝で、当時MLB最強キャッチャーの呼び声高かったヤディ・モリーナ率いるプエルトリコに準決勝で破れて夢破れるが、そのプエルトリコを決勝で破って悲願のチャンピオンに輝いたのがドミニカだった。
思い返すと、第１回からドミニカはデビット・オーティスはじめ多くのメジャーリーガーが参加。今回の第５回同様に優勝候補としてワールド・ベースボール・クラシックに参加してきた。しかしながら過去２回はまさかの第１ラウンドで敗退。
しかし当時ヤンキースに所属していたロビンソン・カノが勝利のフィロソフィーをチームに持ち込むと、元々同郷意識の強い中南米の国々。第２ラウンドのマイアミにも多くのドミニカ人ファンが駆けつけ、その声援の元にアメリカとプエルトリコを撃破。準決勝でもオランダを4-1と破って決勝まで駒を進めた。
決勝で再びプエルトリコと対戦すると、第２ラウンドに続いて完封リレー。第２ラウンドのトーナメントに入ってからは５試合で6失点。大会通しても8戦全勝でわずか14失点。７セーブをあげたクローザー、フェルナンド・ロドニーの弓引きポーズがお馴染みとなり、イメージの圧倒的な打撃の破壊力というよりは投手力で頂点まで駆け上がった。
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田口 有史（たぐち ゆきひと）／日系アメリカ人の親戚がいたこともあり、幼少の頃よりMLBに興味を持ち、中学生の頃からよりのめり込む。アスリートになれなかったため写真を始め、MLBを撮りたくてアメリカ留学。そのままフリーランスとして活動をし、30年近くMLBを撮影。全30球団を毎年必ず撮影することを自身に課し、１年の半分近くをアメリカで過ごす。オフィシャル・フォトグラファーとして予備予選なども撮影しているので、おそらく世界で最もWorld Baseball Classicの試合を撮影している。（写真：田口有史）
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