クロバリマブ、発作性夜間ヘモグロビン尿症対象の第3相試験で主要評価項目達成

Insights4 Pharmaの編集責任者の前田(@seigomaeda)です。今日の世界で注目の製薬トップニュースは、ロシュ社の赤血球が血管内で異常に早く破壊されておこる貧血で難病の発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を対象としたクロバリマブの第3相試験で主要評価項目達成のニュースです。このクロバリマブは、SKY59としても知られており、中外製薬が創製した化合物です。

現在、クロバリマブは、PNHとともに、非典型溶血性尿毒症症候群、鎌状赤血球病、その他の補体介在性疾患において評価されています。

クロバリマブ、PNHを対象とした第III相試験で主要評価項目を達成

ロシュが2月7日火曜日、補体阻害剤による治療歴のない発作性夜間血色素尿症(PNH)患者を対象としたクロバリマブの第3相試験で、共同主要評価項目を達成したと発表しました。また、現在承認されているC5阻害剤からクロバリマブに変更したPNH患者を対象とした2つ目の後期臨床試験からも良好なデータが得られたことを報告しました。

クロバリマブは、中外製薬の技術によって創製された、補体系を阻害する抗C5リサイクルモノクローナル抗体です。中外製薬は、第3相COMMODORE 3試験において、PNH患者における輸血回避および溶血抑制という主要目標を達成したことを報告し、昨年、中国において販売許可申請を行っています。

本試験の主要評価項目は、輸血の回避と溶血の抑制で、COMMODORE 2試験の結果では、クロバリマブを4週間ごとに皮下注射することで疾患制御が達成、現在の標準治療であるアストラゼネカ社のソリリス(エクリズマブ)を2週間ごとに静脈内投与するよりも非劣性であることが示されました。

一方、ロシュ社は、COMMODORE 1試験のデータが、COMMODORE 2試験で認められたクロバリマブの良好なベネフィット・リスク・プロファイルを裏付けるものであると述べています。

ロシュ社のグローバル製品開発責任者であるLevi Garraway氏は、「クロバリマブの最初のグローバル第3相データとして、これらの結果はその可能性を強調しています」と述べ、2つの試験の結果は規制当局に提出される予定であることを付け加えました。

PNHとともに、クロバリマブは、非典型溶血性尿毒症症候群、鎌状赤血球病、その他の補体介在性疾患においても現在評価されています。

参照記事

© SDMJ Consulting合同会社