横浜税関の大麻押収量、前年比10倍に 過去2番目の多さ 「密輸の手口が多様化」

横浜税関が2022年に押収した違法薬物=横浜税関

 横浜税関は15日、2022年の違法薬物の押収量が約389キロだったと発表した。中でも大麻の押収量が前年に比べ約10.4倍の約303キロに上り、統計の残る1985年以降で2番目の多さだった。大口の摘発事例があり、総押収量を押し上げた。同税関は「密輸の手口が多様化している」と指摘し「厳格に取り締まっていく」としている。

 大麻の押収では、大麻草の摘発が21件で、前年の50件から大きく減少したが、押収量は約100倍となった。川崎外郵出張所(川崎市川崎区)で昨年6月、米国から到着した国際郵便物の掃除機に隠された大麻草283グラムを摘発した事案なども影響した。横浜税関調査部の担当者は「多様な手口を使い、日本に持ち込もうとしている」と警戒を強めている。

 違法薬物全体の摘発件数は、前年比13%減の419件だった。減少したものの、摘発件数は3年連続で全国1位で、全国の約4割を占める。407件は、水際対策に当たる同出張所で発見された。

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