ハラスメント防止へ全議員が研修 「一般常識とのずれ再確認を」 神奈川・秦野市議会

ハラスメント行為について議論を重ねる秦野市議会議員ら=同市役所

 神奈川県の秦野市議会は16日、全議員を対象にしたハラスメント防止研修を初めて行った。昨年には市議が市職員にハラスメント行為をしていたとされる問題が明らかになっており、講師を招いて基礎知識から改めて学び直し理解を深めた。

 研修ではハラスメント行為の種類や被害者の心身や周辺に与える影響について紹介。講師の人財開発研究所の北澤清孝代表は「長期療養や退職、最悪の場合は自殺した例もある。市のイメージダウンは避けられず、優秀な人材の流出や政策の説得力がなくなる」などと伝えた。

 また、事例を挙げた上で問題が起きる理由に「議会常識と一般常識とのずれがある」などと指摘。解決の糸口として、職員とのコミュニケーションや組織全体の問題として注意できる環境づくりなどをあげ、「職員はノーと言えない立場。『~であるべきだ』『~で当然』という考えは捨てるなど、常識とのずれを再確認してほしい」と伝えた。

 小菅基司議長は「やはり一番は常識とのずれを正していくこと。引き続き研修を実施して襟を正したい」と応えた。今後も同議会では研修会を予定している。

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