薬局の人気者「サトちゃん」300点 横須賀美術館で「ブーフーウー」の土方重巳回顧展

大小300体の「サトちゃん」人形を集めたコーナーも=横須賀美術館

 キャラクターデザインの先駆者として知られるグラフィックデザイナー土方重巳(1915~86年)の回顧展が横須賀市鴨居の横須賀美術館で開かれている。佐藤製薬のゾウのマスコットキャラクター「サトちゃん」の人形約300点を一堂に集めたほか、貴重な原画やグッズなど500点以上でその活動を振り返る。

 土方は現在の多摩美術大を卒業。前後して東宝に就職し、宣伝課で原節子の主演作品や国策映画などのポスターを担当した。44年には徴兵され、横須賀海兵団で訓練を受けたという。

 戦後はフリーとなり、横浜市などに自宅兼アトリエを構えた。劇作家の飯沢匡がストーリーを、土方がキャラクターを担当するコンビで手がけた子ども向け絵本は15言語に翻訳、78カ国で販売される人気となった。

 会場では、東宝勤務時代に描いた映画ポスターのほか、放送界に転じた土方の大ヒット人形劇「ブーフーウー」の原画やグッズなどを展示。「ジャックと豆の木」や「ピノキオ」「赤ずきんちゃん」といった人形絵本も並ぶ。

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