三笘薫がふたたび「ミトマール」ぶりを発揮した。
3月4日の第26節ウェストハム戦に先発出場し、前半16分に思わず相手がペナルティーエリア内でファウルを犯すドリブル突破。PKを得てチームの先制点に大きく貢献すると、後半24分にはチームの3点目を決めた。
この試合のハーフタイムでの出来事が、明らかにされている。
ロベルト・デゼルビ監督がチーム全体に「もっと自信を持て」と"活”を入れていたのだ。監督自身が試合後のフラッシュインタビューで明らかにした。
この試合、デゼルビ監督の居場所は「スタンド」だった。2月18日に行われた第24節フルアム戦で敗れた後「不適切であり、虐待的かつ侮辱的な言動」で審判を罵倒し、イングランドサッカー連盟(FA)から1万5000ポンド(約245万円)の罰金とともにベンチ入りの禁止を科せられていたからだ。
ただし、イタリア人指揮官は試合後のミックスゾーンでの取材には応じている。
――今日メインスタンドから試合を見た風景はどうでしたか? よかったでしょうか?
はい。スタジアムはすごくよかったですね。でもベンチのほうが私にふさわしい場所ですが。
――今日の試合には満足したのでは?
そうですね。後半戦はまさにファンタスティックでした。ただ前半がね……普段から前半の方がキツいことが多いので慣れていますが。後半はいいプレーができたと思います。
デゼルビ監督は4ゴールでの勝利に、喜びの表情も見せた。三笘の所属するブライトンの調子がいかに良いのか。よく分かる指揮官の言葉だ。
――今週はずっと「よりゴールを決められるようにする」と話していました。実際にすべてが予想通りになりました。この点は喜ばしいのでは?
そうです。我々は今日もそうだったように多くのゴールを決められるチームです。(引き分けた2月11日の)クリスタルパレス戦と(2月18日に0―1で敗北した)フルアム戦は運が悪かったというだけです。試合全体の流れは今日と大きく変わるものではありませんでした。今日より良かったくらいだと思います。時に、ゲームの中での問題解決が最後の20分、25分で可能なこともあります。チームとしてまだ成長の余地があるとは思いますが、現時点で我々は本当によくやっていると思います」
ゼデルビ監督はまた、ハーフタイムにチーム全体に入れた「活」が効いた点がうれしかったようだ。
――今日のチームの出来で満足した点はどこですか?
ハーフタイムのロッカールームでは「もっと自信を持て」という話をしました。前半戦の出来は「もっとやれる」といったところだったので。後半戦はより良くなりました。
チームはこれで今季プレミアリーグ11勝5分7敗で、勝ち点38の8位。ビッグ6の一角チェルシーより勝ち点で4ポイント多く、また来季のヨーロッパの舞台も視野に入っている。
そうなると、監督にも「欲」が出てきている。
――すてきな1週間だったのでは? リーグでは今季一番大きな勝利。FAカップでは準決勝進出を果たしました。
そうですね。でも我々は「すてきな1週間」より「すてきなシーズンのエンディング」が迎えられるよう努力しているところです。
今季の三笘とブライトンには、どんなエンディングが待っているだろうか。
【動画】3試合ぶりのゴールで今季6ゴール目 日本人最多記録タイとなった試合のハイライト映像はこちら
【動画】同試合の三笘薫選手のプレイダイジェストはこちら