【強豪国だらけの世界大会⑫】侍ジャパンにとって油断ならない不気味な2チーム

侍ジャパンにとって、1次ラウンド同組の宿敵・韓国、そしてオーストラリアをどう攻略するかが注目されているが、残るチェコ共和国、中国も決して油断してはならない。当シリーズ企画の最後は、1次ラウンドB組の2チームの戦力を探る。(3月2日時点)

ワールド・ベースボール・クラシックは2013年の第3回大会から予選に参加したチェコ共和国(以下チェコ)が、3度目の挑戦で予選を通過。初めて本選出場を決めた。

ドイツで開催された予選大会の初戦、ヨーロッパの強豪・スペインに7対21で大敗するも、敗者復活戦でフランス、ドイツに連勝し最終戦で再びスペインと対戦。本選出場が決まるこの試合を3-1でスペインを撃破した。

メンバーのほとんどはチェコで生まれ育ち、アマチュアリーグであるチェコ・ベースボール・エクストラリーガでプレーする選手たち。もちろんプロではないので、セールスマンや財務アナリスト、高校の地理教師、チェコ野球連盟の職員など、「二刀流」の選手たち。そして監督のパベル・チャディムは神経内科医だ。

また、本戦からは2010年から2021年まで、アスレチックス、ブリュワーズ、レイズなどで主に二塁手として11年間MLBでプレーし、2022年にチェコに帰化したエリック・ソガードも参加する。

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残る中国は、これまで4大会連続出場も結果は第1ラウンド敗戦。しかし、2019年にはMLBとも提携し中国プロ野球連盟を発足するなど力を入れ、今回のメンバーも国内リーグの選手が中心となっている。

そのなかで注目なのが、2022年のドラフト後にエンゼルスと契約したアラン・カーター投手。直球の最速は98.6マイル(約159キロ)で、同僚となる大谷翔平との対戦を楽しみにしながら、ダルビッシュ有の大ファンだとも語っている。

そして、2017年から2022年まで福岡ソフトバンクでプレーし、現在は日立製作所に所属する真砂勇介外野手も参加。2016年の第1回WBSC U-23ワールドカップのメンバーとして優勝に貢献し、MVP、ベストナインに選ばれている。

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この両国とオーストラリアは大会前の3月6日と7日に宮崎市のひなたサンマリンスタジアム宮崎などで日本のチームと強化試合を行うが、本戦では自国の野球振興に向け侍ジャパンとの一戦に注力すると見られているだけに、油断はできない。

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