がん治療中のヘンドリックス 経過良好も戦列復帰の見込みは立たず

非ホジキンリンパ腫の治療を続けているホワイトソックスの守護神リアム・ヘンドリックス。リック・ハーンGMによると、経過は良好だが、戦列復帰に向けたトレーニングを開始するまでにはまだ時間がかかるようだ。ハーンGMはヘンドリックスの具体的な戦列復帰時期について言及を避けたが、早期復帰の可能性を残しておくために60日間の故障者リストには登録しない予定だという。「4月のどこか、遅くとも4月末くらいにはもう少し具体的な状況がわかればいいなと思っている」とハーンGMは話している。

現在34歳のヘンドリックスは30歳を迎えた2019年にアスレチックスでブレイクし、リーグを代表するリリーバーとしての地位を確立。2021年からは3年5400万ドル+球団オプション1年の契約でホワイトソックスに加わり、短縮シーズンの2020年を除くと、2019年から3年連続でオールスター・ゲームに選出されている。2020~21年にはアメリカン・リーグの最優秀リリーバーに贈られる「マリアーノ・リベラ賞」を2年連続で受賞。2021年はリーグ最多の38セーブを挙げ、昨季は58試合に登板して4勝4敗37セーブ、防御率2.81をマークした。

今季も不動の守護神として期待され、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のオーストラリア代表の一員としてプレーすることも期待されていたが、今年1月に非ホジキンリンパ腫の治療を開始することを公表。もちろんWBCの出場も断念することになった。

絶対的守護神の離脱を受け、ペドロ・グリフォル新監督は代役のクローザーを指名するのではなく、複数のリリーバーを状況に合わせて使い分ける方針を示している。「多くの選択肢がある。ケンドール・グレイブマンやジョー・ケリーはクローザーの経験があるし、アーロン・バマーやレイナルド・ロペスの状態もよさそうだ」と指揮官。全員野球でクローザーの穴を埋め、絶対的守護神の復帰を待つことになりそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.