国の天然記念物 糸魚川―静岡構造線 記念モニュメント除幕 〝地球支える勾玉〟新たなシンボルに

 糸魚川―静岡構造線の断層露頭が国の天然記念物に指定されたことを記念し、糸魚川市根小屋の同構造線上で整備が進められてきたモニュメントが完成した。市は28日に除幕式を行い、新たなシンボルの誕生を祝った。

勾玉が地球を支えるようなデザインで、「人々が地球(郷土)を支え守る象徴」を表現。糸魚川―静岡構造線上に設置した(糸魚川市根小屋地内)

 同構造線は日本列島を東西に分かつ大断層で、長さは糸魚川市から静岡市に至る約250キロに及ぶ。市は根知地域の断層露頭を人工的に露出させ、平成2年11月にフォッサマグナパークとして公開、同30年8月に拡大リニューアルするなどしてPR。令和3年3月に国の天然記念物に指定され、同年11月にはNHK総合テレビの人気番組「ブラタモリ」で紹介された。
 天然記念物指定を受け、市は断層通過の可視化・象徴化を通じて地域振興などを図ろうとモニュメント設置を計画。市内小学校(根知小、大野小、糸魚川東小)からデザインを募集し、応募数70点から最優秀作品1点(根知小1人)の他、一緒に検討すべき作品(同2人)を選定、デザインの素案にして設計・製作した。事業費は812万9000円。
 モニュメントは高さ2・35メートル、幅3メートルのFRP製。勾玉(まがたま)が地球を支えるようなデザインで、「人々が地球(郷土)を支え守る象徴」を表現。同地が日本列島の形成に深い関わりを持つこと、守り続ける大切さを伝える狙いがある。

除幕の様子。地元の根知小の全校児童も参加した(28日)

 除幕式には地元関係者を含め約40人が出席。米田徹市長はあいさつで、「多くの皆さまの思いがこもったモニュメントが、日本列島誕生の歴史をひもとく場所として、大地と暮らしの関係を学ぶ学習観光拠点として、多くの方々のストーリーとなることを期待している」などと述べた。
 新井一郎・県糸魚川地域振興局長は来賓祝辞で、「フォッサマグナパークは、全世界から人を呼び込む力のある観光施設と考えている。モニュメントの整備をきっかけに、さらに多くの方々が糸魚川の地を訪れ、フォッサマグナパークを起点に市内各所を回遊されるきっかけになれば」などと期待を寄せた。

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