ザ・ベストテンのディレクターが語る!少年隊はジャニーズ史上最高のグループです!  歌えて踊れる、正統派ジャニーズアイドルの礎!

少年隊こそジャニーズ最高のグループ

ジャニーズ史上最高のグループは何か? これほど人によって答えが違う質問も無いだろう。国民的グループだった光GENJIやSMAP、嵐と答える人も多いだろう。TOKIOやKinki Kids、V6もいる。若い人たちは人気絶頂のKing&Princeや、今人気上昇中のSnowManやSixTONES、なにわ男子と答えるかもしれない。

しかし私は、あえて「少年隊」こそジャニーズ最高のグループだと答えたい。

歌、楽曲、ダンス、ビジュアル、3人だからこそのバランスとアンサンブル、各々の個性とキャラクター、どれをとってもカッコよく、歌えて踊れる、まさに正統派ジャニーズアイドルの礎を築いたと言っても過言ではない。

3人とも歌いながら踊れて、バク転、バク宙ができる並外れた身体能力、その3人が作るトライアングルは非の打ちどころのない文句なしのカッコよさだった。

元々はジャニーズJr.の中からジャニーズ少年隊、そして少年隊としてレコードデビューに至る。82年ごろからテレビにも登場。TBSでも『パリンコ学園』『ザ・ヒットステージ』『生だ!おもしろ特急便』などのアイドルバラエティに顔を出し、力をつけていった。

1986年、日本レコード大賞最優秀新人賞と、紅白歌合戦初登場という2つの頂点に

和田アキ子やコント赤信号に鍛えられ、楽曲デビューまでの約3年間、力を蓄え次第に頭角を現してゆく。そして85年12月、満を持して「仮面舞踏会」で颯爽とデビュー。楽曲、パフォーマンスの素晴らしさに3人の人気であっという間にトップスターに上り詰めた。

そして1年後、1986年12月31日、遂に日本レコード大賞最優秀新人賞と、NHK紅白歌合戦初登場という2つの頂点に立つことになる。この2つの栄冠に輝いた大晦日だが、実はこの日、2つの悲劇(?)にも見舞われたのである。

この日私は、翌日1月1日武道館での少年隊コンサートを放送する担当のディレクターとして、前日の大晦日の彼らを追いかけ密着取材を行っていた。当時は、大晦日のレコ大の翌日、同じ武道館でジャニーズのコンサートを行うというのが通例になっていた。

同じ基礎舞台を双方使うことができ、お互いメリットのあるイベントだった。その少年隊武道館正月公演の番組ディレクターが私だったのだ。

レコ大のハプニング、しかし受賞時の歌唱では最高のパフォーマンスを

さて、31日レコード大賞のリハを終えた彼らは、そのままNHK紅白のリハのためいったん武道館を後にした。

実はそこから本番までの間に、レコ大の演出家が、全体のタイミングオーバーのため、仮面舞踏会の歌のサイズを少しカットしてしまったのである。しかもその事実が彼らに伝わってなかったのが悲劇の始まり。

やがてNHKから戻って、レコ大の生放送が始まり、少年隊の登場。いつものように歌い始めたが、サイズが変わっていたため、振りも歌もしっくりこない。一瞬「何事か?」とハッと立ち止まる3人、すぐに理解してリカバリーし、最後まで歌い切ったのはさすがだった。しかし、歌い終わり、密着していた私の目に写ったのは、ステージの裏でセットに腰掛け、頭を抱え落ち込んでいる3人だった。あまりに気の毒過ぎて声をかけることもできなかった。だがさすがにその後、最優秀新人賞を受賞し、受賞時の歌唱では最高のパフォーマンスを見せてくれた。

司会は加山雄三、紅白史上に残る珍場面とは?

だがその日、彼らが直面するハプニングはそれだけではなかった。レコ大終了後、紅白に初出場した3人は、白組トップバッターとしてさっそうと登場するはずだったが、司会の加山雄三が、

「トップバッターは少年隊で、仮面ライダー!」

―― と、仮面舞踏会と仮面ライダーを言い間違えるというとんでもないミスをやらかしてしまったのである。このシーンは紅白史上に残る珍場面として、今でも語り継がれているハプニングである。

さて、その後の少年隊は、「デカメロン伝説」「ダイヤモンド・アイズ」「バラードのように眠れ」と次々ヒットを飛ばしTBS『ザ・ベストテン』の常連となってゆく。

特に「君だけに」は、スローバラードなのに振付があるという、踊るバラードとして今までにない画期的な作品だった。

「君だけに」の振り付けを覚えて臨んだリハーサル

87年『ザ・ベストテン』のディレクターとなった私も毎週のように彼らと仕事するようになった。ある時、ちょうど「君だけに」がランクインしてた頃、超売れっ子だった彼らが、他の仕事があって生放送のスタジオ入りがギリギリになり、リハーサルが出来ないという事態になった。

本人でリハが出来ないというのは、スタジオの技術、カメラや照明には非常に困った事態であり、特に少年隊は大きなダンスの動きがあるのでカメラリハーサルは必須だった。

そこで私と同僚のディレクターA氏とADのB君の3人で代役をやることになり、本番前日リハーサル室でビデオを観ながら3時間、歌とダンスの特訓を自主的に行い、当日を迎えることとなった。

そして当日、我々的にはマスターしたと思い、カメリハに臨もうとした時、予定より早く少年隊の3人がスタジオに駆けつけてきてくれた。

これで当然、本人でカメリハを行うのが普通だが、前日特訓した我々としては、技術さんにお願いして、2回やるリハーサルの1回目だけ我々にやらせてほしいと、バカなお願いをしてしまった。

「しょうがねえなぁ」と苦笑するカメラマン、面白がって見ている少年隊の3人。なんと、本人がいる前で我々3人の下手な歌と振付で「君だけに」を歌い切ってしまった。指をさして大爆笑している3人、今思えば本当に恥ずかしい思い出である。それ以来、彼らとはすっかり仲良くなり、特に錦織さん、ニッキとは今でも交流が続いている。

ニッキ本人とカラオケで歌った「仮面舞踏会」

その後少年隊は、ミュージカル『PLAY ZONE』が23年間で上演回数900回を突破、日本を代表するエンターテイナーとなってゆく。ヒガシは今もジャニーズの重鎮として俳優、司会などで大活躍、カッちゃんも歌手、俳優、舞台演出など多方面で活躍し、ニッキは舞台演出を中心に音楽活動を続けている。

数年前、たまたまかつての仲間とニッキと一緒に食事をし、その後奥沢のスナックに行って、なんとニッキ本人と、カラオケで「仮面舞踏会」を一緒に歌わせてもらった。この上ない幸せな瞬間だったことは言うまでもない。

カタリベ: 齋藤薫

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